【連載】FMの祭典と新刊「新・第四の経営基盤」、ファシリティマネジメントのISO/JISの意義:JFMA調査研究部会のFM探訪記(4)(1/2 ページ)
本連載では、日本ファシリティマネジメント協会(JFMA) 専務理事 成田一郎氏が「JFMA調査研究部会のFM探訪記」と題し、JFMA傘下で、マネジメントや施設事例、BIM×FMなどの固有技術をテーマにした合計18の研究部会から成る「調査研究部会」での研究内容を順に紹介していく。第4回は、毎年恒例の「日本ファシリティマネジメント大会(ファシリティマネジメントフォーラム)」とFMを経営的な視点で捉えたJFMAの新書、FMのISO/JIS発行に伴う解説書について触れる。
◆調査研究部会活動の発表の場
日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)で18部会から成る調査研究部会の発表の場は、年に2回設けられています。前回ご紹介した9月から12月にかけて毎週開催するJFMA研究部会公開セミナー「FM秋の夜学校」がその1つで、各部会テーマの基本的な点を中心にした講演会です。読者諸氏は今回の秋の夜学校を聴講していただけましたでしょうか。
他の発表の機会は、毎年2月に開催の「日本ファシリティマネジメント大会(ファシリティマネジメント フォーラム)」です。フォーラムでは、各部会活動での最前線となる成果を発表します。次回のフォーラムは、2022年2月21日(月)〜3月7日(月)の2週間にわたり、オンデマンドで配信。今回のフォーラムの視聴はなんと無料。調査研究部会の発表をはじめ、会期中には70セッション以上の講演が繰り広げられますが、会員・非会員問わず無料で視聴できるようにしました。全国各地の方々が気軽にFMを親しんでもらえる機会としたいとの趣旨です。これを機に、FMに興味を持っていただける方がますます増えるとうれしく思います。では「ファシリティマネジメント フォーラム 2022」について簡単にご紹介しましょう。
◆「ファシリティマネジメント フォーラム 2022」の概要
ファシリティマネジメントフォーラムは、正式名は「日本ファシリティマネジメント大会」で、例年開催し、2022年で16回目になります。FMに関する講演会や展示会、交流会などを、2020年まではリアル会場を用意して2月に3日間開催していました。これまでに延べ5000人近くに参加いただき、まさに“FMの祭典”でした。しかし、コロナ禍により、2021年2月はWebでの開催となり、2022年2月は何とかリアルで開催したかったのですが、コロナ禍の状況を鑑み、今回も全面的にオンラインとなりました。
2022年は「地球・人・ファシリティ 〜変革の時代が求める新しいFM〜」を大会テーマに設定しています。脱炭素化社会に向け、SDGs、ESGへの取り組み、さらにDX(Digital Transformation)の進展、環境変化に対応した組織経営、ファシリティ戦略、ワークスタイル・ワークプレース戦略など、多くのテーマ発表があります。
2022年2月18日(金)はライブで、基調講演と特別講演を配信します。2月21日(月)〜3月7日(月)の期間をオンデマンド配信で、調査研究部会報告の他、シンポジウム、JFMA賞受賞講演、企画・応募講演などを放映する予定です。
基調講演は、法政大学 名誉教授で法政大学 前総長の田中優子氏。特別講演は、国立環境研究所 理事長、東京大学 名誉教授の木本昌秀氏と、東洋大学 情報連携学部 学部長兼東京大学 名誉教授の坂村健氏にそれぞれご登壇いただきます。こちらはライブ配信のみとなります。
きっとお役に立てる情報があると思いますので、来場をお待ちしております。申し込みは、2022年1月中旬より、JFMA公式Webサイトよりお申し込みください。
◆「新・第四の経営基盤―日本企業が今こそ挑戦すべきファシリティマネジメント―」の発刊
調査研究部会の活発な活動は、日本のFMの研究推進に大きく寄与していますが、FMが一般化したかというとまだまだという感があります。
FMを経営的な視点で捉え、人・情報・カネ・モノ(ファシリティ)の4つの経営資源を最適にマネジメントすることで経営基盤として高めることが必要と思い至り、FMを「第四の経営基盤」と名付け、2013年に書籍「第四の経営基盤―日本企業が見過ごしてきたファシリティマネジメント―」を発刊しました。
本書は経営者にもFM入門者にも大変好評を得ましたが、その後、新教科書「公式ガイド ファシリティマネジメント」を2018年に出版。また、グローバルにも社会情勢的にもFMを取り巻く環境は大きく変化しましたので、内容を一新し、最新情報や最新事例を加え、「新・第四の経営基盤―日本企業が今こそ挑戦すべきファシリティマネジメント―」として2021年10月に改めて上梓しました。本書は、部会活動の基本参考書としても利用できるものです。A5判で140ページとコンパクトにまとめましたので、ご一読ください。
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