飛島建設、「小型PCによる簡易型地震計測システム」を開発:制震
飛島建設は「小型PCによる簡易型地震計測システム(以下「簡易型地震計測システム」)を開発し、日本石油販売所有の事務所ビル2棟に導入し共同研究を開始した。
飛島建設は「小型PCによる簡易型地震計測システム(以下「簡易型地震計測システム」)を開発し、日本石油販売所有の事務所ビル2棟に導入し共同研究を開始した。
2棟はともに東京都中央区に位置し前面道路を挟んで向かい合っている。一棟は2013年に完工したセルコンスクエアビルで、トグル制震ブレース付きの鉄骨造7階建ての事務所ビルだ。もう一棟は2003年に完工したセントラルスクエアビルで、柱にCFTを採用した9階建て在来強度型ラーメン構造となる。これら制震・非制震の2棟の建物に対し地震計を設置して、地震時の挙動の差異などを詳細に分析およびモニタリングしていく。
建物の構造ヘルスモニタリング(SHM)は、2000年代より普及しはじめ、現在では地震被災時の被害状況即時評価システム構築のための貴重な情報源の1つとして注目を集めている。
しかしSHMシステム構築や設置工事や調整作業費などを含めると、300万〜1000万円程度の初期費用が発生する可能性があり、電気代や保守点検などの維持管理費用、機器の陳腐化や老朽化に伴う更新費用も考慮する必要があった。また、ある程度の設置スペースを要するため既存建物へのシステム導入が困難であった。
今回開発を行った簡易型地震計測システムは、小型PCを内蔵しハード機器を簡略化した。地震計はカードサイズの「LinuxコンピュータRaspberry Pi」に、低ノイズのMEMS加速度センサーを組み合わせた強震計だ。従来の10分の1程度のコストで地震計測システムを導入することが可能だ。
小型PCであるため自ら計測と記録、制御、分析を1つのハード機器に集約。サイズも小さいため設置のためのスペースを最小限に抑えられる。既存建物へ導入する際にも1〜2時間程度で設置工事が終了できるという。
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