飛島建設、「to施工BPOサービス」導入で施工管理体制を合理化:施工管理
飛島建設は、トランスコスモスのBPOサービスを活用した新たな施工管理体制を構築する。2024年の改正労働基準法適用を前に、現場の業務負荷軽減を図るべく、ワークフローの最適化と運用体制の安定化を目指すのが目的だ。
飛島建設は2020年1月24日、新たな施工管理体制の構築を目的として、トランスコスモスが提供する「to施工BPOサービス」を導入することを発表した。
新たな施工管理体制では、施工計画や現場確認といった中核業務からデータ管理などの付随業務を分離する。従来作業所ごとに処理していたデータ管理業務を、to施工BPOサービスを活用してトランスコスモスのBPOセンターに集約。これにより作業所ごとの施工計画・進ちょくに応じたタイムリーなデータ処理が実現する。
また各現場の施工管理データは全社で共有し、利活用する。帳票や処理方法の統一による情報一元化も可能となる。
建設業界では、人手不足や作業員の高齢化により現場の業務負荷が増し、長時間労働が常態化している。2024年4月に適用される改正労働基準法では、時間外労働の罰則付き上限規制が導入されることから、業務フローの一層の合理化が各社喫緊の課題となっている。
飛島建設でもデジタル化推進策などを通じて合理化を図ってきたが、作業所ごとに施策の活用方法が統一されていないことや、従来の業務プロセスがデジタル化に不向きであることなどが原因で、効果は限定的だった。
今回のto施工BPOサービス導入により、「品質、原価、工程、安全、環境(QCDSE)」の各管理項目において、デジタルとオペレーションを組み合わせた最適なワークフローと安定した運用体制の構築が可能となり、働き方改革に向けた業務の合理化・効率化促進が期待できる。
今後について同社は、2023年度までに各作業所の生産性を10%向上させるべく、さらなる合理化を進めていくとしている。
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