神奈川県海老名市で延べ3.8万m2の冷蔵倉庫が竣工、プロロジス:リテール&ロジスティクス
プロロジスは、神奈川県海老名市で計画を進めていたBTS型物流施設が2021年8月に竣工したことを発表した。プロロジスパーク海老名2は、オイシックス・ラ・大地に賃貸され、宅配サービスブランド「Oisix」専用の施設になっている。さらに、関東最大のマザーセンターとして、全国の生産者や取引先メーカーから入荷した生鮮食品を地域別に出荷するための拠点として役立っている。
プロロジスは、神奈川県海老名市で、オイシックス・ラ・大地のBTS型物流施設として開発を進めていたBTS型「プロロジスパーク海老名2」の竣工式を2021年8月5日に開催した。
1階の一部にはマイナス20度の冷凍設備も完備
開発地は、「圏央厚木インターチェンジ(IC)」から1.9キロの場所にあり、「海老名IC」からも約3.3キロで、2021年3月には約6キロの地点に東名高速道路「綾瀬スマートIC」が開通し、配送拠点に適したエリアとなっている。
圏央道と東名高速道路との交差部にもあたるため、関東全域や西日本方面、都心部へアクセスしやすい他、約200メートルの地域にある国道246号も利用しやすく、神奈川県の藤沢市、鎌倉市、横浜市中心部、首都圏西部などをカバーできる。小田急線「海老名」駅からも約2キロと近く、周辺には住宅地が広がっているため施設内従業員を雇用しやすい。
プロロジスパーク海老名2は、地上4階建てで、全館が10度帯の冷蔵倉庫となっており、1階の一部にはマイナス20度の冷凍設備も備えている。庫内には、大型車両が2階部分へ直接アクセス可能なスロープを設け、ドックシェルターを配置したトラックバースを1〜2階に合計40台分整備した。約110台分の自動車用駐車場も整備して、周辺地域からの通勤に対応し、住宅が立地する敷地東側には防音壁を設けた。
BCP(事業継続計画)対策としては、緊急地震速報や衛星電話、停電時にも簡易発電機の接続により開閉可能な電動シャッターを導入しただけではなく、緊急時の荷物搬出口として3〜4階にマシンハッチを完備した。近年増加傾向の水害への対策としては、キュービクルの設置高さを約2メートルかさあげした。
環境配慮に関しては、屋根面に約700キロワットの太陽光発電を導入し、倉庫部分には、通常のLED照明と比べ電気使用量が半減する高天井用センサー付LED照明を取り付けた。加えて、施設内で使用する電力は、グリーン電力(再生可能エネルギー由来の電力)を利用。
さらに、気温、湿度、雨量、風速、地震などの環境データや電気と水の使用量をリアルタイムで取得・分析可能な「プロロジススマートボックス」を導入し、効率的な倉庫運営をサポートしている。
また、賃貸型の冷凍・冷蔵倉庫は、汎用性を重視し、ドライ(常温)倉庫をベースに冷蔵設備を導入する開発手法が一般的だが、入居企業にとってはコストが増え、工期の長期化がネックとなるため、今回の施設では、建物全体を当初から冷蔵倉庫として開発することで入居企業の負担軽減を図った。このような開発手法はプロロジスとしては初の取り組みとなる。
プロロジスパーク海老名2の概要
プロロジスパーク海老名2は、RC造(一部S造)地上4階建てで、延べ床面積は3万8510.65平方メートル。所在地は神奈川県海老名市下今泉で、敷地面積は1万7043.98平方メートル。着工は2020年3月で、竣工は2021年8月。
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