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三菱地所らがバイオマス発電の事業会社を設立、第1弾の発電所は年間6900トンのCO2削減:産業動向
三菱地所は、静岡ガス&パワーとプロスペックAZとともに、バイオマス発電事業を展開する合弁会社「東松山バイオマス発電」を設立した。
三菱地所は、静岡ガス&パワーとプロスペックAZとともに、合弁会社「東松山バイオマス発電」を設立し、街路樹の剪定(せんてい)枝などを活用したバイオマス発電事業に参入することを2021年5月31日に発表した。3社が行うバイオマス発電事業では、第1弾として、埼玉県東松山市に、発電容量が1990キロワット(kW)のバイオマス発電所「(仮称)東松山バイオマス発電」を開発し、2023年3月に運転を開始する予定だ。
年間約1500万kWhを発電
街路樹は、無機質になりがちな都市の景観に彩りを与えるだけでなく、夏の日差しを遮る他、排気ガスや騒音を緩和するといった役割がある。さらに、都市特有の現象であるヒートアイランド現象の抑制にも貢献している。
一方で、都市部の街路樹や公園の樹木などの生育に伴って、発生する剪定枝の推定量は関東1都6県だけでも年間約50万トンと推測されており、その大部分は、廃棄処分または焼却処分されている。
上記の状況を踏まえて、今回の発電事業では、都市の廃棄物である街路樹や公園の樹木などから生じた剪定材を燃料として再利用し、一般家庭約4800世帯分の電力に相当する年間約1500万kWhを発電し、年間約6900トンのCO2削減を見込んでいる。
今後も、三菱地所をはじめとする3社は、剪定枝を活用したバイオマス発電を全国各地で十数件程度を手掛け、事業を拡大し、持続可能な社会の実現に貢献していく。
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