西新宿に“5Gで対面と同等のWeb会議”が可能な「テント型ワークスペース」を仮設、KDDI総研×大成建設:ワークスペース
KDDI総合研究所と大成建設は、東京都が5Gの重点整備エリアとしている西新宿で、5G通信を活用することでWeb会議でもリアル会議とそん色ないコミュニケーションが図れる屋外のサテライトワークスペースの実証実験を行う。
KDDI総合研究所と大成建設が取り組む実証実験「新たなワークスタイルの確立5G×屋外ワークスペース」が2021年10月18日、東京都が公募した「5Gを含む先端技術を活用したスマートシティーサービス実証事業」の第2次公募で採択された。
5Gで対面に近い、快適かつクリエイティブなワークスペースを構築
西新宿エリアは、都の「TOKYO Data Highway 基本戦略」で5Gの重点整備エリアで、『「未来の東京」戦略ビジョン』で「スマート東京」先行実施エリアにも位置付けられ、5Gと先端技術を活用した分野横断的なサービスの都市実装に向けた取り組みを推進するエリアとされている。
同地には、公園や道路、公開空地などが多く、エリアの約80%がオープンスペースとなっているため、有効に活用していくことが「西新宿地区まちづくり指針」でも定められている。
KDDI総合研究所と大成建設は、パートナー企業のKDDIとともに2021年5月より、西新宿スマートシティー協議会で、新たなワークスタイルの確立をテーマに「高い生産性の確保」「快適に働ける環境の整備」を掲げ、5Gを活用したプロジェクトを推進している。
今回の実証実験は、5Gなどの先端技術を活用したオンラインのグループワーク環境を屋外に構築し、技術や運用、事業面での課題を探り、最終的には新しいワークスタイルのサービスとして実用化することを目的としている。
実証期間は2022年2〜3月末。新宿中央公園や空地、街路などの屋外オープンスペースに、簡単に設置して移動できるだけでなく、設置場所や季節に応じた快適性のあるテント型ワークスペースを複数仮設する。
5Gの大容量/低遅延の特徴を生かし、本社などの遠隔オフィスでの高精度360度映像データや話者に着目して音量や聞こえる方向を変化させる“音のVR(音場)”を屋外ワークプレースに伝送し、Web会議でも対面に近い臨場感を再現。さらにグループワークの活性度もAIで分析し、フィードバックする。ブレインストーミングやワークショップのような密なコミュニケーションを必要とするグループワークでも、オンライン上でのディスカッションを活性化できる働く環境の実現を目標とする。
プロジェクト全体では、今回の5Gを活用した実証実験以外にも、西新宿の企業が参画し、会社組織を超えた社外人材と共創活動を行うジョブマッチングも試みる。マッチングで交流機会を増やすことにより、サテライトワークスペースをよりクリエイティブな場とすることを目指す。
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