大成建設が「御茶ノ水ソラシティ」に再エネ電力を導入、年間6000トンのCO2を削減:産業動向
大成建設らは、複合施設「御茶ノ水ソラシティ」の全電力を再生可能エネルギー由来の電力に切り替えた。今回の取り組みにより、御茶ノ水ソラシティでは、電気購入由来のCO2排出量ゼロを実現し、年間約6000トンのCO2削減を見込んでいる。なお、電気購入由来のCO2排出量ゼロを達成するために、非化石証書(FITトラッキング付き)またはJ-クレジット(再生可能エネルギー由来)を利用する予定だ。
大成建設ら※1は、東京都千代田区に位置する複合施設「御茶ノ水ソラシティ」の全電力を再生可能エネルギー由来電力(以下、再エネ電力)に2021年9月1日に切り替えた。
※1 大成建設ら:大成建設、ヒューリックリート投資、安田不動産、芙蓉総合リース、大成有楽不動産、ヒューリック
再エネ電力はRE100に対応
2013年竣工の御茶ノ水ソラシティでは、オフィスフロアと共用部にLED照明器具を導入し、建物の南面に配置したコアや東西面の縦フィンによる日射遮蔽(しゃへい)効果で熱負荷を低減している。
さらに、高効率機器を採用し、熱負荷を減らしている他、省エネルギーの指標であるPAL削減率とERR(Energy Reduction Rate、エネルギー低減率)については、東京都が定める最高水準を達成。加えて、太陽光発電設備の導入や地下鉄湧出水の活用などを進めている。
そして、環境配慮の取り組みを一層進めるべく、大成建設らは、KDDIと契約しビルで使用する全電力を再エネ電力に切り替えた。利用する再エネ電力は、RE100に対応していることから、御茶ノ水ソラシティに入居する全てのテナントが再エネ由来100%の環境価値が付いた再エネ電力を使えるようになった。
御茶ノ水ソラシティでは、今回の電力切替を契機に、今後も環境に配慮したサステナブルな施設づくりを目指していく。
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