「ARCHITREND ZERO」が検査機関のWeb申請システムと連携、申請時のミス軽減:電子申請
福井コンピュータアーキテクトの3D建築CADソフト「ARCHITREND ZERO」と、指定確認検査機関のWeb申請システムが連携し、電子申請の手戻り防止や申請作業のスピードアップが可能になった。
エシェンツ・ジャパンと福井コンピュータアーキテクトは、行政手続きのオンライン化に伴い、今後拡がりが見込まれる建築確認申請の「電子申請」普及拡大を目的に、両社のシステム連携を実現し、全国の指定確認検査機関(9機関)の協力のもと、2021年9月15日から開始した。
ダイレクト連携で申請図面と申請書の整合性を担保
システム連携は、3次元CADソフトウェア「ARCHITREND ZERO」で作成したデータを確認申請チェック機能で図面の記入漏れなどを自動でチェックした後、3Dカタログ.comの「WEB申請書作成ツール」で、確認申請書をはじめ、計画概要書、建築工事届などの申請書式(PDF/XML)にワンタッチで出力。エシェンツ・ジャパンが開発し、指定確認検査機関が運営している自宅や会社から事前申請ができる「NICE WEB 申請システム」で読み込めるようになった。
両システムがダイレクトに連携することで、24時間365日、スマートフォンやタブレットからのWeb申請が実現するだけでなく、申請図面と申請書の整合性が担保され、ミス軽減とスピードアップが見込める。
現在、連携対応している指定確認検査機関は、J建築検査センター(東京都渋谷区)、建築検査機構(大阪府大阪市)、九州住宅保証(福岡県福岡市)、宮城県建築住宅センター(宮城県仙台市)、茨城県建築センター(茨城県水戸市)、神奈川県建築安全協会(神奈川県横浜市)、新潟建築確認検査機構(新潟県新潟市)、愛知建築センター(愛知県安城市)、滋賀県建築住宅センター(滋賀県草津市)の合計9機関。申請機関は一覧から選択することが可能で、各機関で異なる図面チェック項目や審査機関サイトリンク情報にも素早くアクセスできる。
なお、WEB申請書作成ツールの利用には、3Dカタログ.com有料会員Bプランの契約が必要となる。
今後、福井コンピュータアーキテクトは、全国の指定確認検査機関に向けた連携提案を行い、建築確認申請の「電子申請」普及拡大に努めていく。
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