「幕張ベイパーク」内で延べ4.9万の有料老人ホームが着工、三井不動産レジデンシャル:プロジェクト(2/2 ページ)
三井不動産は、千葉県千葉市美浜区で、シニアレジデンス「(仮称)パークウェルステイト幕張計画」の開発に着手した。パークウェルステイト幕張計画は、三井不動産が展開するブランド「パークウェルステイト」の第5号物件で、幕張新都心エリアで開発中の複合施設「幕張ベイパーク」内に誕生する。今回の物件は、三井不動産レジデンシャルウェルネスが運営するもので、2024年秋の開業を予定している。
リゾートホテルのような自然と調和するインテリアデザインを採用
各共用施設は、中庭や外庭に面する緑に包まれた空間とし、リゾートホテルのような自然と調和するインテリアデザインを採用する。敷地内のレストランには、外庭の緑と水景を臨めるメインダイニングや中庭の緑とライトアップを眺めつつ飲酒が可能なバーダイニングを設置し、サービスはグリーンヘルスケアサービスが提供。加えて、公園を臨むフィットネスルームや露天風呂、最上階には海と空を見られるスカイラウンジとパーティールームを配置する。
高層階の居室からは、東京湾や広大な空を確かめられ、低層階の居室からは周辺の公園や緑地の豊富な緑を感じられるようにする。専有部は、三井不動産レジデンシャルがマンション事業で培ったノウハウを生かしたデザインを導入し、車いすの回転スペースを確保して、生活リズムセンサーなどで、シニアのための機能性も備える。
また、千葉県鴨川市のシニアレジデンス「パークウェルステイト鴨川」に続き、千葉県南部の基幹病院であり、JCI認証※1を日本で初めて取得した亀田総合病院をはじめとする亀田グループの施設と連携し、医療と介護サービスを提供する。
※1 JCI認証:Joint Commission International認証の略称で、米国の医療機関、医療プログラムなどを対象とした認定評価機関「The Joint Commission」によって、1994年に設立された非営利団体「Joint Commission International」による認証制度であり、2018年11月現在、日本では26の、世界では1000 を超える施設とプログラムが、JCI認証を取得している
具体的には、JR「海浜幕張」駅から近い場所にある亀田総合病院附属幕張クリニックと亀田MTGクリニックと連携し、病気の予防や早期発見のため、入居者に定期的なヘルスチェックサービスなどを提供し、当該クリニックに通院する場合にはパークウェルステイト幕張計画からシャトルバスを運行する見込みだ。
そして、パークウェルステイト幕張計画には、24時間体制で亀田グループの看護師が常駐し、日々の健康相談や緊急時の対応に当たり、介護ニーズが生じたときに備え、パークウェルステイト幕張計画内に介護専用フロアを設置する。
介護専用フロアには、専任ケアスタッフが24時間常駐し見守りと生活支援サービスを提供するとともに、外部の訪問介護サービスと組み合わせることで、入居者の状態に合わせた介護を行う。なお、看護・ケアスタッフによる見守りサービスと訪問介護サービスは亀田グループの太陽会が提供する。
建物内の感染症対策では、非接触型のセキュリティとエレベーターボタンの実装や適切な換気量と湿度を保つ換気設備および調湿設備の共用部への導入、高頻度接触面などへの抗ウイルス剤の塗布、ICTを活用し共用施設における混雑情報の提供を実施。
環境配慮に関して、共用部と専有部における再生可能エネルギーの活用※2、共用部への全熱交換機の導入とエネルギー効率の高いエアコンや照明の実装などを行う。
※2 再生可能エネルギーの活用:再生可能エネルギーで作った電力を由来とする非化石証書を活用して実質的にグリーン化することを指す。なお、非化石証書とは、再生可能エネルギーなど非化石電源で(過去に)発電された電気の環境価値を切り離して証書化したもの
BCP対策については、約1万リットルのオイルタンクと750キロボルトアンペアの非常用発電設備、3台のガスコージェネレーションシステムを設置することで、停電時でもエレベーターやレストランといった共用部の一部と全介護居室の空調、照明、電気で72時間の稼働を可能にするとともに、入居者用の非常食や飲用水を約3日分備蓄する。
パークウェルステイト幕張計画の概要
パークウェルステイト幕張計画は、RC造(一部S造)地上28階建てで、延べ床面積は4万9596.39平方メートル。所在地は千葉県千葉市美浜区若葉3丁目1番23(地番)。居室数は617室で、内訳は一般居室が534室で、介護居室は83室を予定。一般居室の面積は42〜71平方メートル。
用途は住宅型有料老人ホーム。設計・施工は熊谷組が、外観・インテリアデザインはホシノアーキテクツが、外構デザインは光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所と鳳コンサルタント 環境デザイン研究所が、それぞれ担当し、着工は2021年8月で、竣工は2024年夏を予定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ベルギーの高齢者施設が高性能スマート調光ガラス「ヘイリオ」採用
太陽光や外気温に合わせてガラスの色を自由に調節できるスマート調光ガラス「ヘイリオ」が、ベルギーのシニア向け介護施設に採用された。ヘルスケア施設にヘイリオが導入されるのは世界初となる。 - 介護施設の入居者を遠隔で見守り可能なシステム、スタッフの省人化に貢献
エイ アイ ビューライフは、介護施設に入居する対象者の状態を遠隔で確かめられる見守りシステム「A.I.Viewlife」を開発した。 - 抗ウイルス機能「ビオタスク」を付与した床材、高齢者向けで滑りにくい仕様
新型コロナウイルス感染症の拡大で、現在、抗ウイルス機能などを付与した衛生対策製品に一般消費者の関心が高まっている。こういった状況を受けて、大建工業は、ウイルス感染による重症化リスクの高い高齢者への対策が最優先であると判断し、独自の抗ウイルス機能「ビオタスク」を付与した高齢者配慮床材「おもいやりフロアIV-VS」を開発した。 - 免震タワー型マンションの新構法「Sulatto Tristar Tower」が、鴨川のシニア向けトライスター型マンションに初適用
三井住友建設の免震タワー型マンションの新構法「Sulatto Tristar Tower(スラット トライスター タワー)」が、千葉県鴨川市で建設されるシニアレジデンス「(仮称)パークウェルステイト鴨川計画」に実案件として初採用された。真上から見るとY字型をしたトライスター型マンションの眺望確保と、開放感ある居住空間を実現する。