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竹中工務店の「燃エンウッド」活用事例、約1515m2の燃エンウッドを導入する施設とは?:非住宅 木造建築フェア(3/3 ページ)
竹中工務店は、柱や梁など構造部材用の耐火集成材として開発した「燃エンウッド」の活用を推進しており、これまでに17件の物件で採用している。2022年10月には、同社が設計・施工を担当し、約1515平方メートの燃エンウッドを導入する公共施設が茨城県水戸市で竣工する見込みだ。
隈研吾建築都市設計事務所がデザイン監修の建物でも燃エンウッドを採用
銀座8丁目開発計画は、ヒューリックが保有する複合施設の開発プロジェクトで、施設は木造とS造を組み合わせたハイブリッド構造の地下1階/地上12階建てで、東京都中央区銀座8−9−15に立地する。
建物は、塔状比が高く、12層の木造架構を備え、燃エンウッドを採用した制振壁や防振柱などを合計で約222平方メートル利用し、CLTを約50平方メートル用いる。デザイン監修は隈研吾建築都市設計事務所が担当し、外装には、樹木の枝が重なり合うようなイメージで木質ルーバーをランダムに配置する。
水戸市新市民会館等施設建築物は、RC造(一部S造)と木造を組み合わせたハイブリッド構造の地下2階/地上4階/塔屋3階建てで、茨城県水戸市1-7に位置し、水戸市が保有する複合施設。燃エンウッドを約1515平方メートル活用し、過去最高の使用量となる見込みだ。
建物内にはホールや屋内広場「やぐら広場」をなど設ける。やぐら広場には、燃エンウッドを用いた柱と梁を組み上げて4層の吹き抜け空間を構築する。
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