建設会社に業務のデジタル化を調査、48%は「IT人材の不足」が課題に:産業動向(2/2 ページ)
インフォマートは、年商が5〜100億円で従業員数が20人以上の国内建設会社に所属するマネジャー(課長)と部長クラスの391人を対象に、「建設業における業務のデジタル化」に関して調査した。リサーチの結果、「業務のデジタル化の弊害になりうる課題を教えて欲しい」と業務のデジタル化に取り組む対象者に聞いたところ、全体の48.7%が「IT人材の不足」と答え、IT人材を十分に雇用できていないことが分かった。
発注書・発注請書のやりとりなどが問題に
また、「業務のデジタル化の弊害になりうる課題を教えて欲しい」と複数回答可能の条件でと聞いたところ、「IT人材の不足」と答えた人は全体の48.7%で最多だった。続いて、「IT人材の不足」は48.7%で、「社内体制が整っていない」は43.4%、「システム投資への予算がない」は28.8%となった。
「取引先との受発注業務で課題を感じる業務を教えて欲しい」と全対象者に複数回答可能の条件で聞いたところ、「発注書・発注請書のやりとり」もしくは「契約書のやりとり」と返答した人は全体の46.3%で最も多かった。次に、「請求書のやりとり」41.7%で、「見積書のやりとり」は41.4%、「出来高のやりとり」は23.8%、「受発注業務はしない」は6.6%となった。。
今回の調査では、「デジタル化に取り組んでいる」と回答した企業が多かった一方で、業務面の多くは紙ベースで行われていることが多数あり、「デジタル化」への課題を感じている企業が多数いることが判明した。
<調査の概要>
調査時期:2021年8月18〜25日
調査対象:年商が5〜100億円で従業員数が20人以上の国内建設会社に所属するマネジャー(課長)と部長クラスの391人
調査手法:インターネットによるアンケート調査
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