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日立ビルシステムが本社を新しい働き方の実験場に、新型のビルシステムを導入BAS(2/2 ページ)

日立製作所と日立ビルシステムは、日立ビルシステムの本社と亀有総合センターのオフィスを、ニューノーマルの働き方を検証する実験場をイメージして改修し、独自のIoTプラットフォーム「Lumada」を用いたビルIoTプラットフォーム「BuilMirai」および就業者向けアプリケーション「BuilPass」を導入した。

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顔認証や画像解析のシステムと連携可能

 BuilMiraiは、デベロッパー向けのクラウド型プラットフォームで、センサーやゲートウェイを用いて、複数のビルに搭載されたさまざまな設備を遠隔で監視するとともに、稼働状況などのデータを取得し、アプリケーション「ビルIoTモニター」「AIによる快適化支援アプリ」「トイレモニター」によりそのデータを分析する。


「BuilMirai」のイメージ

日立製作所 ビルシステムビジネスユニット SIB推進本部 プラットフォーム開発部長 赤津昌幸氏

 さらに、オープンプロトコルに対応しているため、多様なベンダーのシステムと連携が可能な他、オープンAPIを実装しており、プラットフォームの拡張などにも応じられる。

 ビルIoTモニターは、複数ビルの現状を統合的に可視化するトップ画面や各ビルの状況を見える化するリアルモニター画面、BuilMiraiに蓄積されたデータをまとめる統計情報画面で構成され、各画面はPCで専用クラウドにアクセスして見られる。

 トップ画面では、各種ビル設備の稼働状況やアラート、電力使用量、契約電力の使用率を確かめられる。加えて、画像解析システムと連携し、不審者の検知情報など、各種インシデントデータも見渡せる。

 日立製作所の赤津氏は「ビルIoTモニターでは、顔認証や画像解析のシステムと連携することで、対象者のマスク検知やソーシャルディスタンスのセンシングに関するデータも、リアルモニター画面に映せる」と話す。

 リアルモニター画面では、指定したフロアの平面図上に、センサーで取得した情報や照明、空調機器、監視カメラの稼働、人流のデータを表示する。統計情報画面では、BuilMiraiに保存されたデータを、フロアやビルごとに比較し、分析が可能。


「ビルIoTモニター」の「統計情報画面」

 AIによる快適化支援アプリは、温度と湿度を測れる環境センサー、気象情報、人流センサーで獲得したデータをベースに、AIを活用して室温の変化を予測する。そして、その予想結果に基づき、空調設備を制御し、あらかじめ設定した温度帯から実際の室内温度が外れる前に調整して、利用者が部屋の温度に不快感を感じることなく、適切な温度管理を実現。

 トイレモニタリングは、トイレが使われた時間や回数を通知する機能を搭載し、トイレの使用頻度に応じた清掃の適正化や長時間利用者のチェックなど、ビルの安全管理や品質向上を後押しする。さらに、スマートフォンやデジタルサイネージを介して、就業者にトイレの利用状況を通知し、混雑の平準化を促すことで、クレームの数を減らせる。

 BuilPassは、施設予約システム、入退室管理システム、飲食利用システムなどと連携する就業者向けのアプリで、社内の情報とイベントが配信され、会議室や個室ブースの予約が行え、食品と物品の注文に応じている。問い合わせ窓口との対話や入退室の記録も可能だ。


「BuilPass」の画面

 現在、日立製作所と日立ビルシステムは、本社と亀有総合センターにBuilMiraiとBuilPassを導入し有効性を検証している。今後は、検証の結果をチェックしつつ、デベロッパーをターゲットにBuilMiraiとBuilPassを提案していく。目標としては年間5〜10棟のビルに導入することを掲げている。

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