2021年のゲリラ豪雨傾向、前年比1.2倍の発生回数
ウェザーニューズは、突発的かつ局地的に激しい雨や落雷をもたらす「ゲリラ豪雨」に対し、事前対策への意識を高め被害軽減につなげるため、「ゲリラ豪雨傾向 2021」を発表した。2021年のゲリラ豪雨の発生回数は2020年のおよそ1.2倍。
ウェザーニューズは、国内を対象とした「ゲリラ豪雨傾向 2021」を2021年7月に発表した。突発的かつ局地的に激しい雨や落雷をもたらす「ゲリラ豪雨」に対し、事前対策への意識を高め被害軽減につなげることを狙いとした天候予測のレポートだ。
2021年7〜9月のゲリラ豪雨は、日本全国でおよそ7万5000回発生する予想で、2020年のおよそ6万2000回に対して約1.2倍となる。今シーズンは、太平洋高気圧の中心が日本の東に位置し、高気圧の周囲をまわる暖かく湿った空気が、本州の日本海側に入りやすい状況となる。そのため、ゲリラ豪雨は2020年に比べ、西・東日本の日本海側や北日本で多くなる見込みだ。
特に、湿った空気が流れ込みやすい日本海側を中心に発生回数が多く、北海道(1万400回)、秋田県(2500回)、石川県(1600回)で、2020年比で2倍以上の発生回数となる地域もある。その他、都市部では、東京で1200回、愛知で1000回、大阪で400回となる見込みで、いずれも2020年並みとなる予想だ。
ゲリラ豪雨は、太平洋高気圧が弱まって湿った空気が流れ込む時や、上空の寒気が通過し大気の状態が不安定になる時に発生しやすい。今シーズンは、8月中旬〜下旬をピークがピークとされる。
雨雲の発生は山沿いがメインだが、平野部、都市部にも流れ込んだり、直上で発生したりする場合がある。1回のゲリラ豪雨で、激しい雨による冠水や浸水、落雷による停電や交通機関のまひなどさまざまな被害が懸念される。
時期別の気象条件では、2021年7月中旬から9月初めにかけて、日本付近は高気圧に覆われて晴れる日が多くなる予想だ。ただ、本州日本海側を中心に高気圧の周囲をまわる湿った空気の影響を受けて、ゲリラ豪雨が発生しやすくなる。日差しが届いていても、天気の急変に注意が必要であるとしている。
2021年9月上旬からは、秋雨前線や台風の影響を受けて、突発的かつ局地的なゲリラ豪雨の発生は減少していく。同年9月中旬からは移動性の高気圧や前線の影響を交互に受けるようになり、終息に向かう見通しだ。
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