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流域環境を評価する衛星センシングやAI、環境DNAなどの研究講座を開設、日本工営×山口大:AI
日本工営と山口大学は、大学内に共同研究講座「流域環境学講座(日本工営共同研究講座)」を開設した。
日本工営と山口大学は2019年9月9日、流域環境評価ツールとその活用手法を研究するため、同大学内に共同研究講座「流域環境学講座(日本工営共同研究講座)」を2019年8月1日に開設したと明らかにした。
流域(河川、湖沼、沿岸域)の生物・物質の動態を把握
講座では、両者が共同で、環境DNA、安定同位体、リモートセンシング、AIといった最新技術を用いて、流域(河川、湖沼、沿岸域)の生物・物質の動態を把握し、水域の環境を評価する手法の開発を進めていく。開講期間は2019年8月1日〜2020年7月31日の1年間。
両者は、流域の健全性を河川や湖沼、沿岸の水に着目して診断することは、「安全な水とトイレを世界中に」「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさを守ろう」というSDGs(持続可能な開発目標、全17項目)の4つの目標を達成することに大きく貢献するとその意義を説明する。
これまで山口大学の赤松良久研究室では、流域における水・物質・生物の動態を把握する目的で、環境DNA、ドローン、衛星リモートセンシング、安定同位体比といったさまざまな新技術を開発・導入してきた。一方、日本工営はゲリラ豪雨に代表される気候変動に関する検討や運用面を含めた施設の効果的な活用方法、豊かな自然を再生するための取り組みなどを行ってきた。
両者が共同で研究することで、流域環境学に関わるイノベーションの創出が期待され、その社会実装が早まることも期待されている。
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