コロナ禍前後の技術者と技能工の需給動向「建設技能工の人材需要は逼迫化」:産業動向(2/2 ページ)
建設HRは、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2021年8月分のマンスリーレポートを公表した。今月のトピックスでは、2021年上半期の建設技術者と建設技能工の需給動向を採り上げている。
建設技術者数は30万人で、前年同月と同数
建設技術職の雇用動向では、2021年6月の建設技術者数は30万人(前年同月比100.0%)で、前年同月と同じ。
ハローワークにおける建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月を0.2ポイント上回る5.76倍で2カ月連続上昇した。
労働需給の先行指標となる新規求人倍率は、前年同月を1.51ポイント上回って10.37倍となり、6カ月連続で前年同月を上回っており、建設技術者の需給状況は再び厳しくなっている。
有効求人数は、前年同月比114.9%となり、5カ月連続で増加。新規求人数も同110.3%と5カ月連続で増加し、建設技術者の需要は増加傾向が鮮明となっている。
充足率※は、前年同月より0.25ポイント低下して3.56%となり、ハローワークで建設技術者を採用することは困難な状況が続く。
※充足率=(就職件数/新規求人数)×100%
建設技能工の雇用動向についてみると、ハローワークにおける建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比0.02ポイント上がり、5.18倍となった。
労働需給の先行指標となる新規求人倍率は8.75倍(対前年同月比+1.24ポイント)で、11カ月連続で前年同月を超え、建設技能工の需給動向は逼迫に向かっていると考えられる。
有効求人数は、前年同月比109.7%となり、10カ月連続で前年同月を上回った。新規求人数も同108.6%と同じく、10カ月連続で前年同月よりも増加し、企業の求人意欲は上昇傾向が続いている。
充足率は前年同月より、0.87ポイント低下して5.99%となり、ハローワークで建設技能工を採用することは困難な状況が継続している。
● 建設HR主催
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