高さ212m・延べ14.6万m2の常盤橋タワーが大手町で竣工、三菱地所:プロジェクト(3/3 ページ)
三菱地所は、東京都千代田区大手町で計画を進めていた複合施設「TOKYO TORCH 常盤橋タワー」が2021年6月30日に竣工したことを発表した。常盤橋タワーは、地下5階/地上38階建てで、延べ床面積は約14万6000平方メートルで、高さは212メートルに達し、竣工時点でJR「東京」駅周辺で最も高いオフィスビルとなった。
錦鯉が泳ぐ池を設置
9〜37階は、オフィスフロアで、全体の事務所貸室面積は約7万5300平方メートル。基準階の貸室面積は2580平方メートルで、天井高は2850ミリ。床荷重積載容量は1平方メートル当たり500キロ。
敷地内の広場であるTOKYO TORCH PARKでは、新潟県小千谷市から提供された錦鯉50匹が泳ぐ池や同県佐渡市で取れた金鉱石、茨城県つくば市が生産した天然芝「つくばグリーン」「つくば太郎」「つくば輝(つくばかがやき)」「つくば姫」、静岡県裾野市が手掛けた緑地空間を設置した。
錦鯉が泳ぐ池では、ニッポン放送と協業し、新潟県小千谷市の環境音が流れるパイプスピーカーを配置して、居心地の良い広場を演出している。さらに、デンマークを主要拠点に活動する遊具製作会社のMONSTRUM(モンストラム)が作成した鯉のアート遊具を広場の中央にディスプレイした。
一方、建物内には、金沢韻氏と増井辰一郎氏で構成されるキュレーター「コダマシ―ン」が、歌舞伎や祭りの華やかで奇想的なエレメントに着想を得て、選んだ芸術作品を展示している。
環境配慮に関して、三菱地所は、常盤橋タワーで、Green Business Certificationが運営する環境認証「SITES 予備認証」のゴールド認証や都市緑化機構の社会・環境貢献緑地評価システム認証「SEGES」、企業と生物多様性イニシアティブのいきもの共生事業所認証「ABINC」、日本政策投資銀行が展開する「DBJ グリーンビルディング認証」のプラン認証で5つ星を取得している。加えて、DBJ グリーンビルディング認証の新規認証も申請中だ。
常盤橋タワーの概要
常盤橋タワーは、SRC造(一部RC造)の地下5階/S造(一部柱がCFT造)の地上38階建てで、高さは212メートル、延べ床面積は約14万6000平方メートル。所在地は東京都千代田区大手町2丁目、中央区八重洲1丁目。駐車場は176台分で、内訳は、自走式が64台、機械式は112台。アクセスは、JR「東京」駅から徒歩1分。主な用途は事務所店舗、駐車場。設計は三菱地所設計が、施工は戸田建設が担当した。
なお、今回の建物は、三菱地所が東京都千代田区大手町で計画を進める再開発プロジェクト「TOKYO TORCH」の一環として開発された。TOKYO TORCHは、A棟やB棟、変電所棟(C棟)、下水道局棟(D棟)から成る大規模施設で、総延べ床面積は約74万平方メートルになる見込みだ。常盤橋タワーはTOKYO TORCHのA棟に該当する。
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