三菱地所設計が台北市の再開発プロジェクトを受注、延べ38万m2の住宅・商業複合施設で2020年着工:海外事例
三菱地所設計は、台湾・台北市東部のターミナル南港駅に隣接して計画されているオフィス・住宅・商業施設・展示場などで構成する「台北南港商三特区再開発プロジェクト」を受注したと公表した。
三菱地所設計は、台湾・台北市東部の南港エリアで計画されている39階建ての複合施設「台北南港商三特区再開発プロジェクト」を受注した。
計画地は、台北市が戦略エリアに位置付ける「台北東区門戸計画」内で、一帯の中心となる南港駅に隣接する台湾台北市南港区忠孝東路七段(北街区)。敷地面積は2万6047m2。このエリアには、台湾バイオテクノロジー研究センターや南港ソフトウェアパーク、台北ポップミュージックセンターなど、大型の公共施設が集約している。地下には南港駅に乗り入れる地下鉄「台北MRT」、在来線「台湾鉄道」、新幹線「台湾高速鉄道」の複数の線路が東西に貫通しており、工事の際にはこれらの線路を避けて地下部分を建築しなければならないという特殊な条件がある。
プロジェクトでは、東西250m(メートル)、南北100mの敷地に、オフィス、住宅、商業、展示場、バスターミナルから成る大型の複合タワー2棟を建設する。規模は、地下6階、地上部分はオフィス棟が33階、住宅棟が39階建て、延べ床面積は38万m2。着工は2020年、竣工は2026年の予定。
施主は潤泰創新國際股フン(人偏に分)。住宅以外のランドスケープ、ライティング、内装含むデザインアーキテクトは三菱地所設計。現地の設計者は陳傳宗聯合建築師事務所。
提案で、三菱地所グループは、周辺の緑豊かな敷地と調和した緑の丘にタワーを配置するプランをプレゼン。街路やペデストリアンデッキのネットワークで周囲をつなぐデザインが高い評価を受けた。2018年4月には受注獲得に至り、8月13日に台北市と潤泰創新國際股フン(人偏に分)との間で正式調印式を執り行った。
三菱地所設計は2011年度より「海外事業の強化」を掲げ、同年7月に上海の現地法人「三菱地所設計諮詢(上海)」を設立。中国・台湾での受注を拡大してきた。さらに2016年には、中国・台湾に加え、ASEAN諸国での事業を広げる目的で、「Mitsubishi Jisho Sekkei Asia Pte.(日本名:三菱地所設計アジア社)」をシンガポールで開設。台湾ではこれまでに、ランドマークタワー「台北101」に隣接する大規模複合施設「臺北南山廣場」、台南市で最大規模となる延べ18万m2の複合施設「南紡夢時代」などランドマークとなるプロジェクトを手掛けている。
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