リアルとデジタルで店舗のサービスを体験できるまちを目指す新たな取り組み、三菱地所:スマートシティー(2/2 ページ)
三菱地所は、管理するエリアに点在する店舗での購入やサービス利用の体験を、現実の店だけでなくオンラインでも提供することを目指し、リアルとデジタルを融合させたUXデザインの取り組み「三菱地所デジタルビジョン」を策定した。
事業を横断するデータや個人情報の分析と活用で店舗のサービスを改善
三菱地所デジタルビジョンでは、Machi Passなどのデジタル技術を用いて、管理するエリアで営業する店舗での購入体験などをオンラインでも可能とし、社会や個人の課題を解消するとともに、各事業を横断するデータや好意的に提供される個人情報の分析と活用により、オン・オフラインのサービスを強化することを目指す。加えて、まちの関係者とオープンにつながるエコシステム「Mitsubishi Estate Local Open Network(MELON)」を構築し、多様な企業の参加と協創を促す。
具体的には、ユーザーが、三菱地所デジタルビジョンの専用アプリやWebシステムを活用し、店舗の混雑状況に合わせて、注文、決済、配送の方法を選べるようにし、三菱地所が管理するエリアでは顔認証で有料のコワーキングスペースなどに入れるようにする。また、人脈づくりのサポートや移動手段の提供、被災時における避難ルートの案内、病院と連携したヘルスケアの支援、生産者とクリエーターを応援するコミュニティーの作成、地域での仲間づくりなどにも応じる。
記者発表会で、太田氏は、「三菱地所では現在、ユーザーが、オン・オフラインでまちのサービスを体験できるような専用のアプリとWebシステムを開発中だ。顧客がこのアプリケーションを使用した際のデータを蓄積し、分析するデータ基盤も開発を進めている」とコメントした。
MELONでは、三菱地所が管理する地域のインターネット通販、商業施設、飲食店、ロボットなどのデータとサービスを連携するとともに、都市OSや行政とサードパーティーのサービスとも連動し、まち全体のエネルギー効率や防災機能を高める。
「想定しているMELONの活用事例では、専用アプリによる注文に合わせて、MELONで、店の在庫状況を調べ、配送ロボットを制御し、複数の店舗で商品を自動集荷させ、利用者に届けるというサービスがある。また、空いている有料のワークスペースを検索する当社のサービス“NINJA SPACE”とMELONを連携することにより、まちで使用されていない作業スペースと予約状況を一元管理し、こういった空間をユーザーに効果的に貸し出せるようになる」(太田氏)。
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