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五洋建設が山岳トンネル工事向けの帳票作成アプリを開発:ICT
五洋建設は、山岳トンネル工事従事者向けの省力化技術として2つの帳票作成アプリを開発した。今後、同社は、「五洋施工情報共有システム(i-PentaCOL/3D)」と連携する新アプリの機能を強化し、遠隔でのリアルタイム帳票確認や管理文書登録の省力化を図っていく。
五洋建設は、山岳トンネル工事従事者向けの省力化技術として、2つの帳票作成アプリを開発したことを2021年3月29日に発表した。
現場で点検と同時に帳票を完成させることが可能に
一般的に山岳トンネル工事では、切羽の観察記録や点検記録などの帳票作成作業が行われている。帳票作成作業は、現場でカメラにより撮影した写真と野帳に記録したスケッチを事務所で帳票用紙に転記・印刷する必要があるため、長時間を要していた。
そこで、五洋建設は、iPadで発注者に提出する「切羽観察記録」と労働安全衛生規則に定められている「切羽の点検記録」を容易に作れるアプリを開発した。
今回のアプリは、帳票作成から確認・認証までの作業を効率的にかつ完全なペーパーレスで行えるとともに、作成された記録を任意のオンラインストレージで関係者と共有できる。また、現場で切羽の観察もしくは点検と同時に帳票を完成させることが可能になるため、事務所での業務を減らせる。
五洋建設では、国土交通省四国地方整備局発注の「見の越トンネル工事」や西日本高速道路発注の「中国横断自動車道牧トンネル工事」などで新アプリを導入・試行している。
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