パナソニック ホームズが既存住宅の買い取り再販事業の専任部署を新設:リノベ(2/2 ページ)
パナソニック ホームズは、同社グループ全体で成長戦略の1つとして「オーナーを中心とした既存住宅ストック事業の強化」を掲げており、2020年にリフォーム部門と不動産部門を再編し、ストック事業部を設立した。また、ストック事業のさらなる成長を目指し、新たな事業の柱として買い取り再販事業の専任部署「住宅流通推進センター」を子会社のパナソニック ホームズ不動産内に新設した。住宅流通推進センターの買い取り再販事業では2030年までに売上350億円の達成を目標に掲げている。
販売ターゲットを想定して既存住宅を改修
記者発表会では、パナソニック ホームズ不動産 住宅流通推進センター 統括リーダー 志村満氏が、買い取り再販事業の成功事例として、横浜市都筑区すみれが丘にある戸建て住宅のケースを紹介した。
この戸建て住宅は、高齢の姉妹が、2020年10月に住み替えの目的でシニア向け新築分譲マンションを購入したことに伴い、同年11月にパナソニック ホームズ不動産に売却した住居。
パナソニック ホームズ不動産は、この戸建て住宅の改修をパナソニックリフォームに発注するに当たり、横浜市都筑区すみれが丘の住環境をリサーチし、一次取得の子育て世代ファミリー層と周辺エリアからの住み替えを検討する世帯を販売ターゲットとして想定した。パナソニックリフォームでは、現場を踏査し、ターゲット層を考慮して、外部や内部、設備全体の入替工事を含むリフォームを実施した。
次に、パナソニック ホームズ不動産とパナソニックリフォームは、リフォーム完成現場見学会を開催し、リフォーム物件に対する需要を掘り起こしつつ、提案と販売を行った。その後、30代後半のA氏がこの物件を購入した。
志村氏は、「A氏は、以前に住んでいたマンションが手狭だったので、広さが確保でき住環境の良いエリアでの住み替えを検討していた。そして、金額とエリア的に条件が合っていたため、パナソニックリフォームが改修した横浜市都筑区すみれが丘の戸建て住宅を購入した。さらに、居住していたマンションの売却活動を当社に依頼してもらい、併せて、戸建て住宅の外構工事とキッチン食器棚の設置といった追加工事も受注した」と成果を語った。
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