トプコンがICT測量を支援するアプリを開発、図面の3D化と路線図の作成が可能:第3回 建設・測量 生産性向上展(2/2 ページ)
トプコンは、データコレクター用アプリケーション「監督さん.V/SDR8 シビルマスター」にICT測量で役立つ機能を追加した「監督さん3D」を開発し、2021年3月に発売した
ヒートマップを点群データと3D設計図で生成可能
設計では、現場の現況と3D設計図面を比べることや簡易路線データの作成に監督さん3Dは役立つ。現況と3D設計図面の比較は、3D設計図面をデータコレクターの監督さん3Dに取り込み、監督さん3Dで3D設計図面を見つつ現地の状況確認で可能。簡易路線データは、監督さん3Dに2D設計図面を取り込み、データコレクターで手入力して作れる。
施工では、管理する断面(管理断面)以外の断面(任意断面)を測定することやICT建機のローカライゼーション※1で監督さん3Dは貢献する。任意断面の計測は、TSやGNSS受信機と監督さん3Dを連携し、中心杭と任意断面の位置や離れを監督さん3Dの画面上で見える化することで行える。加えて、監督さん3D上で、始点と終点を入力し路線を生成することで、その路線と指定の場所との距離や離れを可視化することにも応じている。
※1 ローカライゼーション:GNSSの計測座標を現場の平面直角座標に変換する手法
ICT建機のローカライゼーションは、ICT建機に搭載されたGNSS受信機と監督さん3Dを連携することで行え、トプコン製Layout Navigator「LN-150(杭ナビ)」のセットアップにも監督さん3Dは使える。
「検査では、ヒートマップの作成で監督さん3Dは業務に寄与する。具体的には、出来形管理の面管理でレーザースキャナーにより取得した点群データとあらかじめ取り込んだ3D設計図面を基に監督さん3Dはヒートマップを作れる機能“i-Conサーフェス”を備えている。i-Conサーフェスでは、障害物の影響によりレーザースキャナーで計測が困難な場所であっても、後で測量機で補完し、設計図と標高格差が大きいエリアを監督さん3Dのマップビューで確かめられる。マップビュー画面では、測定した箇所を黒で、基準の設計値にある範囲を緑とし、基準から少しずれているゾーンを黄色で表示して、基準からかなりずれたスペースを赤で映す」(トプコンの担当者)。
遠隔臨場について、監督さん3Dでは、TSやGNSS受信機と連動して得られたさまざまな数値やマップ画面を遠隔地にいる管理者のPCやスマートフォンの画面に投映することに応じているため、監督員は現場に足を運ばずに現場への立ち合いを行える。
監督さん3Dのタイプは、監督さん3Dと「監督さん3Dプロ」の2種類で、ICT建機のローカライゼーション機能やGNSS対応、i-Conサーフェスを実装しているのは監督さん3Dプロのみ。
両タイプとも販売方法は、年間契約(サブスクリプション)で、監督さん3Dは6万500円で、監督さん3Dプロは9万9000円(いずれも税込み)。
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