建設エンジニアのコロナによる影響を調査、51%が働き方に変化:産業動向
コプロ・エンジニアードは、全国の建設エンジニア772人を対象に、インターネット上で新型コロナウイルス感染症の影響に関するアンケート調査を行った。調査結果によれば、新型コロナウイルス感染拡大により、働き方に変化があった人が全体の51.3%を占めることが明らかになった。
派遣会社のコプロ・エンジニアードは、同社に所属する全国の建設エンジニア772人を対象に、インターネット上で新型コロナウイルス感染症の影響に関するアンケート調査を2021年1月12〜31日に行い、調査結果を同年3月2日に発表した。
コロナ禍で在宅勤務を導入した人は42.9%
調査結果によれば、「新型コロナウイルスの感染拡大による働き方などへの影響があるか」と対象者に質問したところ、「影響あり」と答えた人は全体の51.3%で、「特に影響なし」とした人は48.7%だった。
「影響あり」とした人に、「どのような影響があったか」を複数回答可能の条件で聞いたところ、「在宅勤務」と答えた人は42.9%で最多となった。次いで、「オンラインで打ち合わせ」は26.3%、「一時的な出勤停止」は21.7%、「時差通勤」は18.7%、「残業が少なくなった」は18.2%と続いた。
対象者のうち、現場監督を務める施工管理者に、「新型コロナウイルスの感染拡大による働き方などへの影響があるか」と尋ねたところ、「影響あり」と答えた人は43.8%で、「特に影響なし」とした人が56.2%となった。
「影響あり」とした人に、「どのような影響があったか」を複数回答可能の条件で聞いたところ、「工事の進捗遅れ」と答えた人が41.3%で最も多かった。次に、「予定されていた工事の延期」は32.3%、「資材の入手が困難になった」は26.5%、「感染防止対策が工事関係者に負担をかける」は25.6%。
新型コロナウイルスの感染拡大によって苦労したことについて、対象の施工管理者に複数回答可能の条件で質問したところ、「現場への感染対策徹底」と答えた人が19.8%で最多だった。次いで、「マスクや手洗い・消毒・換気・検温の手間」は18.7%、「コミュニケーションをとりづらい」は17.6%、「工程の遅延・延期・見直し,資材調達」は12.1%となった。
また、「マスク着用が定着するまでの指導が大変だった」「息が上がるような作業でも作業員達にマスクの着用を徹底させないといけない」「夏場は特にマスクをすると熱中症になりやすくなった」「マスクを付けてヘルメットを被るため、顔色をうかがいにくい状態」「工事での建物内外の行き来で毎回検温をしなければいけない」といった意見も寄せられた。
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