「建設業の年収は521万円、コロナ禍で減少した製造業を上回る」ヒューマンタッチ総研:産業動向(1/2 ページ)
ヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2021年4月分のマンスリーレポートを公表した。今月のトピックスでは、建設業の給与と労働時間についてレポートしている。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は2021年4月20日、国内における建設業の人材市場動向をまとめたマンスリーレポート「ヒューマンタッチ総研〜Monthly Report 2021年4月」をリリースした。
今月のトピックスでは、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」をもとに、建設業の給与と労働時間について最新動向を分析している。
■建設業の年間現金給与額は521万2000円、製造業を上回る
主要産業別に、一般労働者※の年間現金給与額を見ると、建設業は2012年の455万8000円から増加傾向が続いて、2019年には製造業に追い付き、2020年には521万2000円となった(図表1)。一方、製造業はコロナ禍の影響もあり、2020年には500万4000円に減ったため、その差は拡大。情報通信業の613万1000円にはまだ及ばないものの、給与レベルは確実に上昇している。
※一般労働者:常用労働者のうち、パートタイム労働者以外の労働者
■2020年の年間実労働時間は製造業より109時間長い
次に一般労働者の年間実労働時間の推移を見ると、建設業は2017年の2119時間から減少傾向が続き、2020年には、2036時間となっている(図表2)。しかし、調査産業全体及び製造業についても同じく減少傾向が続いており、建設業と製造業の労働時間の差を計算すると、2017年の67時間から2020年には109時間に拡大している。 労働時間については、建設業は他産業を上回る長時間労働からまだまだ抜け出せない状況にある。
今後については、給与レベルを維持しながらも、ICTやAIを活用していかにして労働時間を短縮していくのかが、建設業の働き方改革における大きな課題になると考えられる。
建設業就業者数は497万人で増加、新規求人数は7万5888人で減少
建設業界の人材動向では、2021年2月の建設業就業者数は488万人(前年同月比97.3%)、雇用者数は400万人(同97.3%)でともに増加した。
一方、公共職業安定所(ハローワーク)における新規求人数は7万872人(同110.7%)と3カ月連続の増加。
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