清水建設が全作業所に「デジタルサイネージ」導入、年3000万円の印刷コスト削減:導入事例
清水建設は、ペーパーレス化の目的で、国内の全作業所に電子掲示板「デジタルサイネージ」を導入する。これまで印刷や配送に要していた年間約3000万円のコストが削減される見込みだ。
清水建設は2021年3月8日、中期経営計画(2019〜2023)に掲げたデジタル戦略の一環で、国内の全作業所に電子掲示板「デジタルサイネージ」を導入することを発表した。現在、稼働中の作業所を対象に、プロテラスが提供するデジタルサイネージのクラウドサービス「DiSiクラウド」の採用を順次進めており、2021年9月末までに約900作業所に設置を完了する計画。
本社・支店からの伝達情報を配信
DiSiクラウドは、ネットワークを介して、画像や動画などのデジタルコンテンツを受信側のディスプレイに一斉配信できるデジタルサイネージシステム。作業所への新たな情報伝達媒体として活用することで、伝達情報の訴求力が高まるとともに、非常時には、全作業所に対して必要な指示事項などを伝えられるようになる。
デジタルサイネージの設置場所は、作業所の事務所や打ち合わせ室、作業員休憩所を想定。掲示コンテンツは、本社や支店から配信するデジタルポスター、事務連絡、非常時の一斉緊急連絡の他、作業所が任意に登録できる所内関係者向けの工程情報や注意事項などさまざま。また、設置場所の特性に合わせた掲示コンテンツや掲示スケジュールを柔軟に設定できる仕組みも整備している。
一方、デジタルサイネージの導入に伴い、2021年10月以降は、本社や管轄支店から作業所に配布していた安全・品質ポスターなどを全てデジタルコンテンツ化し、完全ペーパーレス化を図っていくという
デジタルサイネージの全作業所導入に伴う投資額は、専用受信機器や大型ディスプレイの購入費用として約2億円、年間システム利用料として約3000万円を見込む。一方で、年間約3万5000枚を配布していたポスター類の完全ペーパーレス化により、印刷、配送、掲示に要していた年間約3000万円のコストが不要となり、CO2排出量も年間0.7トンを削減する。
清水建設は今後、掲示用のデジタルコンテンツの拡充を図るとともに、本社や支店、営業所、海外の作業所などにもデジタルサイネージを設置していく。
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