三菱地所が被災時用プラットフォームの機能を強化、帰宅困難者の受付の非接触化を実現:防災(1/3 ページ)
三菱地所は、新型コロナウイルス感染症が拡大している現状を踏まえ、帰宅困難者の受け入れで必要な受付業務を非接触で進められる新システムを被災時用の情報プラットフォーム「災害ダッシュボード4.0」に実装した。2021年2月1日に、新システムの効果を確かめるための実証実験を行った。
三菱地所は2021年2月3日、東京都千代田区の丸の内ビルディングで、被災時用情報プラットフォーム「災害ダッシュボード4.0」と災害ダッシュボード4.0の機能「帰宅困難者受け入れ施設用の受付システム」の実証実験を行った。同時に、国土交通省と共同で、人流データ解析システムを用いて、帰宅困難者を受け入れる施設周辺の混雑状況を見える化できるかも実験した。
会場では、三菱地所 都市計画企画部 統括 澤部光太郎氏が、各システムの概要や実証実験、帰宅困難者受け入れ施設の状況と位置情報を災害ダッシュボード4.0に送るライブ配信ユニットについて説明した。
丸の内のデジタルサイネージ約100台に帰宅困難者向けのニュースを配信
災害ダッシュボード4.0は、三菱地所が開発したもので、地震の発生後に必要とされる災害に関するさまざまな情報の一元管理と配信が行える。運用は、千代田区の災害対策本部と三菱地所が担当し、千代田区と三菱地所は大丸有エリアにおける帰宅困難者の支援に災害ダッシュボード4.0を使う。
災害ダッシュボード4.0が提供する情報は、Web版とデジタルサイネージ版の2種類。いずれも、千代田区災害対策本部と大丸有分室からのメッセージや大丸有エリアの映像を放映する他、Google Mapを介して、帰宅困難者受け入れ施設と混雑度の情報を表示する。
Web版とデジタルサイネージ版の違いは、Web版ではNHK-Worldや公共機関のTwitter、天気、交通機関のホームページへのリンクを配信し、デジタルサイネージ版ではNHKを放映して、各コンテンツのサイズも異なる。なお、デジタルサイネージ版は、被災時に映像ネットワーク「Marunouchi Vision」を経由して、大丸有エリアに設置された約100台に配信される。
災害ダッシュボード4.0を用いた実験では、震度6強の首都直下地震を想定し、Marunouchi Visionを介して、帰宅困難者受け入れ施設の空き情報と併せてNHKのニュースを丸の内エリア内のデジタルサイネージ約100台に放映した。
三菱地所の澤部氏は、「当社では、災害ダッシュボード4.0で配信する帰宅困難者受け入れ施設の位置と映像をリアルタイムに取得できるライブ配信ユニットの開発を進めている。ライブ配信ユニットは、iPhone SEや専用アプリ、モバイル端末用の固定三脚、LEDランタンなどで構成されており、防水スーツケースで運べ、スピーディーに組み立てられ、ポータブル電源により、72時間にわたって現場を撮影できる」。
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