大成建設らが薄型樹脂パネルを用いた給電床を開発、送電レーンのレイアウト変更が容易:製品動向
大成建設、豊橋技術科学大学、大日本印刷(DNP)は、走行する汎用小型車両とロボットをワイヤレスで給電する内装床「T-iPower Floor」を開発した。今後、T-iPower Floorの施設への実装に向け、ワイヤレス給電システムの実証実験を進め、2025年度の商用化を目指す。
大成建設、豊橋技術科学大学、大日本印刷(DNP)は、汎用小型車両(ビークル)とロボットに対してワイヤレスで給電する内装床「T-iPower Floor」を開発したことを2021年1月4日に発表した。
従来品と比較して半分の床厚で施工可能
近年、工場や物流施設では、作業員の省力化や無人化を目的に、荷物運搬用ビークルとロボットの導入が進められている。しかし、ビークルとロボットは、バッテリーで走行するため、運行状況に応じてバッテリーの充電や交換が必要なことがネックとなっており、工場と物流施設ではワイヤレス化などによる効率的な給電システムが求められていた。
そこで、大成建設や豊橋技術科学大学、DNPは、薄型樹脂パネルを用いたワイヤレス給電床のT-iPower Floorを開発した。
T-iPower Floorは、搭載された送電電極に高周波電源を接続すると、T-iPower Floorの上を走行するビークルに、受電電極を介して、電力をワイヤレスで送れ、バッテリーの充電や交換を不要とし、ビークルの稼働率を高める。
また、厚さ4ミリのDNP製薄型樹脂パネルとテープ状の送電電極を材料に使用しているため、従来品と比較して半分の床厚で施工できる。加えて、給電床の薄型化により、ビークルなどが送電レーンを乗り上げても走れ、効率的で柔軟な車両運用を後押しする。
T-iPower Floorの取り付けは、薄型樹脂パネルを連続して敷設する「薄型パネル工法」を採用しており、これまでの塗床工法で施工される給電床に比べて、送電レーンのレイアウト変更が容易で安価だ。
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