規格住宅と注文住宅の魅力を調査、入居後は「断熱性」と「気密性」を重視する人が42%:不動産市況
ホクシンハウスは、規格住宅の購入者529人と注文住宅の契約者473人を対象に、インターネット上で規格住宅と注文住宅のニーズについてリサーチした。調査結果によると、住宅購入の検討段階では広さと間取りを重視し、入居後には断熱性と気密性にこだわる人が多いことが判明した。
住宅建設会社のホクシンハウスは、規格住宅の購入者529人と注文住宅の契約者473人を対象に、インターネット上で規格住宅と注文住宅の違いに関する調査を2020年11月6〜10日に行い、結果を同月25日に発表した。
規格住宅購入者と注文住宅契約者、ともに約9割が「住み心地に満足」
調査結果によれば、「規格住宅を選んだ理由」を購入者に聞いたところ、「検討段階で金額が分かる」と答えた人は29.1%で最も多かった。次いで、「土地と建物で総額が分かりやすい」は28.4%、「見学などで物件を見てから購入できる」は18.7%、「検討段階で機能・設備が分かる」は18.2%、「工期が短い」は3.4%、「その他」は2.2%と続いた。
事前に購入費用が分かることに魅力を感じて、規格住宅を選択した人が3割近くとなり、検討段階でどのような物件なのか、機能や設備はどういったものが備わっているのかをあらかじめ確かめられることもメリットに挙げる回答も多かった。
注文住宅購入者からは、注文住宅の長所に関して、「費用対効果が高い。たくさんの状況で使われてきた設計間取りなので間違いがない(40代/男性/東京都)」「住宅設備や機能がわかりやすい(50代/男性/神奈川県)」「無駄なく設計されていて使い勝手が良い(50代/女性/東京都)」「便利で機能的な住宅に住める(50代/男性/栃木県)」といった声が寄せられた。
「注文住宅を選んだ理由」について注文住宅の契約者に質問すると、「好きな間取りにできる」と回答した人は55.2%で過半数を占めた。次に、「自由度が規格住宅より高い」は23.3%、「デザイン・内装にこだわりたかった」は10.4%、「規格住宅だと満足のいく物件がなかった」は4.9%、「機能・設備にこだわりたかった」は4.7%、「その他」は1.5%の順となり、注文住宅は柔軟な設計が評価されていることが分かった。
注文住宅契約者からは、注文住宅の良さについて、「自分好みにアレンジできる(40代/男性/福島県)」「住宅の全てを自分の思うとおりにできる(40代/女性/長野県)」「自分のライフスタイルに合わせて自由設計できる(50代/男性/神奈川県)」「自分の考えたプランに沿って建てることができる(50代/男性/青森県)」といった意見が届いた。
実際に入居してからの満足度に関する質問では、「満足」と答えた規格住宅の購入者は全体の69%で半数を超え、「とても満足」は21.7%、「不満」は8.5%だった。一方、「満足」と回答した注文住宅の契約者は69.1%で、「とても満足」は22.8%、「不満」は7.6%、「とても不満」は0.5%だった。
「注文住宅にしておけば良かったと思うことがあるか」と規格住宅の購入者に聞くと、「細かいところまで決められるのはやはり利点だと思う(20代/男性/東京都)」「間取りを変えたいとかの希望を後々言えなかったこと(30代/女性/兵庫県)」「自分の好きな住宅にできるところ(40代/男性/埼玉県)」「自分好みに外観・内装を仕上げることができる(50代/男性/埼玉県)」といったコメントが寄せられた。
「規格住宅にしておけば良かったと思うことがあるか」と注文住宅の契約者に尋ねると、「窓などのパーツが特注で規格品が使えない(50代/男性/埼玉県)」「規格住宅のほうがコストが抑えられたのかなと思う(50代/女性/愛媛県)」「設計に時間を要する、費用が掛かる(50代/男性/千葉県)」「長く住むとメンテナンスが必要になってきて、その費用が痛い(50代/女性/青森県)」などのデメリットが指摘された。
「住む前と暮らした後で重要だと思った点は」と規格住宅の購入者と注文住宅の契約者に、複数回答可能な条件で質問したところ、住む前に関しては、「広さ・間取り」と答えた人は56.8%で過半数となった。次いで、「通勤・通学が便利な立地」は51.7%で、「耐震性や耐久性」は47.6%、「断熱性や気密性」は41.2%、「外観デザイン」は28.9%、「住宅の防犯性」は25.3%、「街並みと景観」は15.1%、「その他」は1.6%。
暮らした後は、「断熱性や気密性」と回答した人が42.5%で最多。「広さ・間取り」は38.7%、「耐震性や耐久性」は36.7%、「通勤・通学が便利な立地」は35.3%、「住宅の防犯性」は26.1%、「外観デザイン」は16.2%、「街並みと景観」は12%、「その他」は3.8%の順となった。
<調査の概要>
調査時期:2020年11月6〜10日
調査対象:規格住宅の購入者529人と注文住宅の契約者473人
対象者数:1002人
調査手法:インターネットによるアンケート調査
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