三菱地所と鹿島初のビーチリゾートホテル「ヒルトン沖縄宮古島リゾート」が2023年の竣工に向け着工:プロジェクト
三菱地所と鹿島建設、ヒルトンが計画を進めていた沖縄県宮古島のビーチリゾートホテル「ヒルトン沖縄宮古島リゾート」が2023年2月の竣工に向けて着工した。
三菱地所と鹿島建設は2021年3月22日、両社が事業主となって開発を行う「ヒルトン沖縄宮古島リゾート」の建設工事に同年2月28日に着手したことを公表した。ホテルはヒルトンが運営し、2023年初夏に開業する予定。
沖縄・離島にヒルトンブランドが初進出
ヒルトン沖縄宮古島リゾートを建設する宮古島・トゥリバー地区は、宮古空港から7キロ、車で約15分の距離に位置し、下地島空港からも13キロ、車で約25分と島外からのアクセスに優れ、宮古島の中心市街地や伊良部大橋至近の利便性の高い立地。宮古ブルーの美しい海に面し、サンセットや壮大な伊良部大橋の全景を望むことができ、ビーチに隣接するリゾートホテルにとて最適なロケーションとなっている。
ホテルの外観は、低層部は琉球石灰岩をイメージしたベージュ基調で宮古島の原風景との融和を図りつつ、高層部は水平ラインを強調し、全体は緩やかな弧を描く建物形状がリゾート感を創出。植栽は、環境への配慮と、永く美しさを保つため、宮古島に根付く樹種を中心に選定している。
全329室の客室は、洗練された居心地の良いデザインのツインルームとキングルームを中心に、面積の広いスイートルームなどを設け、カップルからファミリーまでのさまざまな宿泊客に対応できるように計画。最上階のエグゼクティブラウンジや屋上のルーフトップバーからは、優れた眺望を生かし、宮古ブルーに輝く青い海と白い砂浜の美しいコントラストを楽しめる。
三菱地所、鹿島とも国内でのビーチリゾートホテルの開発を行うのは初。ヒルトンにとっては2020年7月に開業した「ヒルトン沖縄瀬底リゾート」に続き、沖縄県内6軒目のホテルとなり、離島へは初進出だという。
宮古島は、半島、湾入、砂浜など変化に富んだ自然景観や民族芸能、伝統織物など、独特な文化的資産に恵まれており、宮古島の観光客数は2019年まで年々増加するなど、リゾート地として人気が高まっている。羽田、関西、名古屋、那覇などからの定期便が運航する「宮古空港」に加え、三菱地所が開発し、グループ会社の下地島エアポートマネジメントが運営を行う旅客ターミナルビルが2019年3月に新規開業した「下地島空港」では、国内の成田、羽田、関西、神戸、那覇、海外では香港との定期便を開設。コロナ収束後には、観光需要の回復に伴って、リゾート地としての発展が期待されている。
ヒルトン沖縄宮古島リゾートの施設概要は、所在地が地名地番で沖縄県宮古島市平良字久貝アゲタ550-7。規模は地上8階建て(高さ38.82メートル)、建築面積6478.77平方メートル、延べ床面積2万8368.43平方メートル。
設計は鹿島建設、設計監修は観光企画設計社、内装デザインはWimberly Interiors、ランドスケープデザインはWATG及びランドスケープデザイン、コンストラクションマネジメントは三菱地所設計、施工は鹿島・國場・大米特定建設工事共同企業体がそれぞれ担当する。工期は2021年2月28日に着工し、完成は2023年2月末、開業は2023年初夏を見込んでいる。
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