取り込んだ外気の湿度と温度調整が行える空調システム、将来的に除菌機能も搭載:パナソニックが考える「2020以降の街づくり」(1/2 ページ)
パナソニック エコシステムズは、従来の空調システムに、独自開発した調湿ユニットを組み込み、外気の湿度と温度調整が行える空質システムの開発を進めている。同社は、将来的に、新たな空質システムに次亜塩素酸生成ユニットを組み合わせて、取り込んだ外気を除菌できるようにする。
パナソニック ライフソリューションズ(LS)社とパナソニック エコシステムズは2020年11月26日、愛知県春日井市のパナソニック エコシステムズ 本社で、室内空気質(IAQ)関連事業の戦略説明会を開催した。
会場では、パナソニック エコシステムズ 代表取締役社長 小笠原卓氏と執行役員 岡本剛氏が、IAQ事業の成長戦略と2021年4月発売予定の新たな空質システムを紹介した。
2025年度の売上目標は3000億円で非住宅の構成比は40%
パナソニック エコシステムズは、パナソニック ライフソリューションズ(LS)社傘下の企業で、主にIAQ関連事業と環境エンジニアリング関連事業を展開している。IAQ関連事業では、空気清浄機や熱交換機ユニット、空間除菌脱臭機「ジアイーノ」、セントラル水浄化システムなどを扱っており、環境エンジニアリング関連事業では、トンネル内の送風・浄化システムやクリーンルーム、排水処理設備などを販売している。
同社は、2019年度の売上が1767億円で、うち非住宅向け製品の売上は30%を占めた。今後非住宅分野への展開に注力し、2025年度の売上目標の3000億円では、非住宅向け製品の構成比を40%に高め、市場成長以上の事業拡大を目指す。2025年度における売上のうち、ジアイーノは500億円で、新たな空質システムは100億円を占めることを見込んでいる。
パナソニック エコシステムズの小笠原卓氏は、「当社がターゲットとして考えている非住宅施設は、ホテルや店舗、クリニック、オフィスで、ホスピタリティやアミューズメント、作業、事務、学習といったテーマを意識した空間ソリューションを開発し訴求する」と説明した。
続けて、「当社の空間ソリューションは、温度や湿度、清浄度、気流といった空質4要素と、除菌や脱臭、香りの感性3要素を重視しており、各要素により非住宅分野で、健康維持に貢献するとともに、快適な労働環境も構築し、ウイルス対策も実現する。こういった点を踏まえて、新たな空質システムの開発を中国で進めている」と付け加えた。
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