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奥村組、外壁タイル打診調査支援システムを改良:現場管理
奥村組は、2018年開発した「外壁タイル打診調査支援システム」を改良し、タイル仕上げ以外の壁面や床面の現地調査など、適用範囲を拡大したことを発表した。現地調査の迅速化・省力化を図る。
奥村組は、2018年に開発した「外壁タイル打診調査支援システム」を改良し、タイル仕上げ以外の壁面や床面の現地調査など、適用範囲を拡大したことを発表した。現地調査の迅速化・省力化を図るとしている。
「外壁タイル打診調査支援システム」は、外壁タイルの打診調査時の省力化を目的として開発された。頭部装着型のウェアラブル端末と小型のセンサーなどの機器を用いて、調査結果を即時電子情報化する。しかし、建設業においては、タイル仕上げ以外の壁面や床面についても現地での状態確認が必要であり、省力化する技術が求められていた。
従来のシステムでは、測域センサーで検知した指示棒の位置情報と、タイルの状態に関する情報を合わせて記録していた。これを、タイル仕上げ以外の壁面や床面にも適用できるよう、記録する状態情報などの入力項目を調査対象に合わせて任意に設定できるよう改良した。
加えて、事前に調査対象のCADデータを取り込めるようにしたことで、現地調査時に容易に位置情報と状態情報を図面上に記録できるようになった。さらに、頭部装着型のウェアラブル端末からスマートフォンに変更し、操作性の向上や日本語入力機能の強化を図った。
改良後のシステムは、対象機器の調達も容易であるため、今後はさまざまな対象の現地調査のツールとして積極的に展開していく。
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