賃貸住宅のZEHで“実績No.1”達成、入居者と施主がともに喜ぶ積水ハウスの「シャーメゾンZEH」:ZEH(3/3 ページ)
2050年までの脱炭素社会の実現に向け、国内のさまざまな企業で具体的なアクションが求められているなか、ハウスメーカーの積水ハウスは環境に配慮した「住」のアプローチで、いち早くZEH対応の戸建て住宅を多数開発し、今では累計棟数で業界のトップランナーとなった。ここ数年は、賃貸住宅のZEH化にも乗り出し、2017〜2019年の契約戸数で業界最多を達成したという。
各戸と共用部に蓄電池とHEMSを採用
内覧を行ったシャーメゾンZEHの物件は、2020年11月に竣工し、3階建ての最上階2戸を積水ハウスがモデルルームとして賃借している。各設備の説明は、埼玉シャーメゾン支店 シャーメゾンステーション群馬 設計課 統括室長(課長) 網川陽氏が担当した。
本物件をZEH化した背景には、施主が地元企業で、環境配慮に加えて地域貢献をしたいとの意向があったことが影響している。そのため、パナソニック ライフソリューションズ社の蓄電システム「創蓄連携システムS+」の蓄電容量3.5ワットアワータイプとHEMS「AiSEG2」を全21戸中6戸と共用部にも設置している。
創蓄連携システムS+は、太陽電池で発電した電力を部屋内に貯(た)めて夜間に使うことで、自然エネルギーだけで極力、賄えるようになる。専有部では、照明や家電とも接続しているパワーステーションを介して常に満タンで待機し、万一停電になったときは放電して、被災した近隣住民が充電などで使えるようにしている。
AiSEG2は、住宅のエネルギー状況を見える化するエネルギー管理システムのHEMSとAIの組み合わせで、室内のLED照明や空調機器と無線でつながり、電気の自給率や自家消費率が一目で分かる。さらに、エアコンを効率稼働させる自動制御やスマホの専用アプリで遠隔操作を可能にする機能が搭載されている。また、蓄電池との連携では、気象警報が発令されると自動で充電をはじめて停電にあらかじめ備えられる。
網川氏は、「本物件はシャーメゾンZEHのなかでも、プラスαで創蓄連携システムS+やAiSEG2といったハイグレードの設備を備えている。2019年に千葉県で台風による停電が発生した際は、90%復旧までに3日間かかったと聞く。非常時には、スマホは家族との連絡で使用を控えることが少なくないので、蓄電池でTVなどが点けば必要な情報が得られるなど、安心感がもたらされる。また、ZEH賃貸そのものは、不動産投資の観点でも、国の施策に即したZEH認定を取得しているので、金融機関の融資も通りやすい」とZEH導入の利点を語った。
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