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賃貸住宅のZEHで“実績No.1”達成、入居者と施主がともに喜ぶ積水ハウスの「シャーメゾンZEH」ZEH(2/3 ページ)

2050年までの脱炭素社会の実現に向け、国内のさまざまな企業で具体的なアクションが求められているなか、ハウスメーカーの積水ハウスは環境に配慮した「住」のアプローチで、いち早くZEH対応の戸建て住宅を多数開発し、今では累計棟数で業界のトップランナーとなった。ここ数年は、賃貸住宅のZEH化にも乗り出し、2017〜2019年の契約戸数で業界最多を達成したという。

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売上13%増とCO2排出量20%減を両立

 しかし、「脱炭素は企業の成長を妨げるのでは」との見方があることに対して、石田氏は「(FY2015〜2019で)売り上げは13%増収して、CO2排出量も20%減少と両立させることに成功している」とし、さらなる事業拡大のため、「住まいの新たな選択肢で、まだ普及していない賃貸住宅のZEHをシャーメゾンブランドで推進し、(地球環境や社会、地域に根差した)“エシカル”の観点で新たな市場の創出を行っている」とシャーメゾンZEHの目的を語った。

 シャーメゾンZEHの仕様は、まず高断熱の構造や真空複層ガラス(ペアガラス)などの建具、次にLED照明やエアコンといった高効率設備の導入、それだけではゼロにならないため、創エネの太陽光発電システムも含めた要素で構成されている。このうち高断熱の性能は、外気温が0度を下回る冬場でも、室内は16度前後を保ち、省エネだけではない快適な居住区間の提供にも寄与する。


シャーメゾンZEHの仕様イメージ 提供:積水ハウス

真空複層ガラスとサッシ

 賃貸住宅の太陽光発電システムは、入居者にはメリットは無いが売電収入が見込める「オーナー一括売電タイプ」と、各住戸に発電設備からの電力を引き込み、光熱費をカットできる「入居者売電タイプ」の2種類があり、積水ハウスは後者を推奨している。その理由は、災害発生時に停電が起きても、晴天であれば最大1500ワットを供給し、TVでの情報取得やスマートフォンの充電、非常用コンセントでの家電使用など、安全・安心につながることに加え、光熱費が安くなることで入居者の満足度が上がることも一因として挙げる。入居者売電タイプとZEHの高断熱では、オーナー一括売電タイプに比べ、入居者が支払う光熱費は年間で約7.8万円も抑えられるとしている。


シャーメゾンZEHの太陽光発電システム 提供:積水ハウス

「入居者売電タイプ」 提供:積水ハウス

 オーナー側のZEH化によるメリットは、快適性と経済性の付加価値で高入居率が見込め、事実シャーメゾンZEHはほぼ入居率100%だという。加えて、入居者売電で安くなる光熱費との差額から家賃アップをすることも可能になる。長期的なスパンで考えても、将来ZEHが義務化となれば、現時点でZEHにしておくことで、物件の競争力が維持され、資産価値を安定的に守ることにもつながる。

 石田氏は、「賃貸ZEHの累積受注戸数は、業界トップの3806戸で、このうち直近の2020年1月〜2021年1月に受注した戸数は2976戸。今後も、国内で賃貸ZEHの建設棟数で4割を占めるシャーメゾンZEHでCO2を抑制して、次の世代に負担を持ち越さず、未来の子供たちを幸せにする事業としていきたい」と展望を語った。

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