調査リポート
建設業は全産業で人材不足感が最多だが、技術者・技能工はコロナで低下傾向:産業動向(2/2 ページ)
ヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2021年1月分のマンスリーレポートを公表した。今月のトピックスでは、厚労省の「労働経済動向調査」を基に、建設業における労働者の過不足状況を分析している。
建設技術者数は37万人で、対前年同月比6カ月連続増
建設技術職の雇用動向では、2020年11月の建設技術者数は37万人(前年同月比102.8%)となり、前年同月比でみると6カ月連続で増加した。
ハローワークにおける建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月よりも1.29ポイント低い6.04倍となった。前年同月を下回ったのは、10カ月連続となる。
有効求人数は、前年同月比95.8%となり、11カ月連続で前年同月を割り、新規求人数も同94.5%と低下しており、減少傾向が続くことが予測される。一方、有効求職者数は、同116.3%となり、6カ月連続で増加している。
建設技能工の雇用動向についてみると、2020年11月のハローワークにおける建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比0.49ポイント低下して5.68倍となり、9カ月連続で前年同月を下回った。
有効求人数は、前年同月比103.7%となり、3カ月連続で前年同月を上回った。新規求人数も同100.5%と前年同月を上回っている。
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