従業員4人以下の企業が約7割、「経済センサス調査」に見る建設業の特徴分析:建設業の人材動向レポート(27)(1/2 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向について、さまざまな観点で毎月レポートしている。今回は、国の基幹調査「経済センサス調査」を基に、他の産業と比較しつつ建設業の特徴を分析している。
今回は、「経済センサス調査」のデータを用いて、建設業の特徴を分析する。「経済センサス調査」とは、事業所・企業の活動の全体像を捉えようという目的で2009年から実施されている国の基幹調査であり、事業所・企業の基本的構造(企業数、事業所数、従業者数など)を明らかにする“基礎調査”と、事業所・企業の経済活動の状況(売上高、付加価値額など)を分析している“活動調査”がある。
■建設業は、従業者規模4人以下の企業が約7割を占める
総務省統計局の「経済センサス 2016年(平成28年)活動調査」から建設業の企業数(個人含む)を従業者規模別に見ると、建設業の総企業数は43万1736社で、そのうちの約7割に当たる30万8280社が従業者数4人以下の小規模企業であることが分かる(図表1)。
他の業種と比較すると、従業者規模が4人以下の企業の割合は、建設業では71.4%であるが、製造業は60.2%、情報通信業は55.5%となっており、建設業は小規模な企業が際立って多い業種である(図表2)。一方、従業者規模が300人以上の企業の割合については、建設業は0.03%であるのに対して製造業は0.2%、情報通信業は0.5%となっており、建設業では大規模な企業の割合が低いこともうかがえる。
■建設業では、従業者20人未満の小規模企業で働く人の割合が56.4%と際立つ
従業者規模別に建設業の従業者数を見ると、総従業者数366万9816人のうち5割以上に当たる約207万人が従業者規模20人未満の小規模な企業で働いている(図表3)。
従業者規模別に従業者数の割合を他の業種と比較してみると、従業者規模20人未満の企業で働いている従業者数の割合は建設業では56.5%であるが、製造業は18.8%、情報通信業は11.9%、全産業平均が27.6%となっており、建設業では従業者規模20人未満の小規模企業で働く人の比率が際立って高くなっている(図表4)。
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