戸田建設の環境技術実証棟がカーボンマイナス棟へ改修、CO2収支をマイナスへ:ZEB
戸田建設は、2017年6月に竣工した筑波技術研究所内の環境技術実証棟をカーボンマイナス棟へと改修する。施設のライフサイクルでCO2排出量に対し、太陽光発電や地中熱利用、吸収ができる緑化や内外装材の導入などで削減効果が上回り、収支マイナスとなるカーボンマイナスを目指す。
戸田建設は2020年12月7日、茨城県つくば市の筑波技術研究所内での環境技術実証棟で、ZEBの実現に向けた所期の実証作業を終えたことを機に、「(仮称)カーボンマイナス棟」としてリニューアルを行い、省エネルギーに加えてCO2排出量の削減に向けた新たな取り組みをスタートさせたことを明らかにした。カーボンマイナス棟は、2016年に始動した筑波技術研究所の新整備計画の一環で、2021月5月に竣工し、同年7月に運用を開始する。
省エネ技術を多数採用し、最高ランクの『ZEB』認証を取得
施設リニューアルの背景には、地球温暖化対策で、世界的にCO2に代表される温室効果ガスの排出抑制が望まれており、戸田建設でも、建設工事によるCO2排出量を2050年までに1990年比で80%削減する目標を掲げている。2017年には、筑波技術研究所内に環境技術実証棟を整備し、さまざまな環境技術の実証を行うなど、建物の省エネルギー化とCO2排出量の削減にも取り組んでいる。
カーボンマイナス棟は、研究スタッフが利用する次世代型オフィスとなる計画で、新しい働き方への対応なども考慮した室内環境を実現。併せて、タスクアンビエント空調、自然換気、AI制御などの多くの省エネルギー技術や先端技術と、太陽光発電、地中熱利用などの再生可能エネルギーの採用により、年間の1次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスとなる最高ランクの『ZEB』認証を取得し、環境省の補助金事業にも採択されている。
さらにカーボンマイナスという観点では、内装と外装にCO2の吸収・固定化による削減効果が期待できる緑化や木質材料を採り入れ、ビオトープなど外構の整備も計画しており、施設の改修・運用・廃棄まのでライフサイクルにおけるCO2収支をマイナスとする(排出量より削減効果のほうが大きい)ことを目指している。
戸田建設の考えるカーボンマイナスとは、施設のライフサイクルで、施工時や廃棄時に加え、エネルギー消費などの運用によるCO2排出量(プラス要因)に比べ、再生可能エネルギーの利用と木材・樹木によるCO2の固定・吸収による削減効果(マイナス要因)が大きく、収支でマイナスとなるようにすることを指す。
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