五洋建設、技術研究所展示実験棟を省エネ改修で省エネ率72%:ZEB
五洋建設は、那須塩原市の技術研究所展示実験棟の省エネ改修工事を完了し、運用を開始した。最新技術を含む約30の省エネ技術を採用し、建物内に配置/融合することで、72%の省エネ率を実現する。
五洋建設は2020年3月19日、那須塩原市の技術研究所展示実験棟の省エネ改修工事を完了し、運用を開始したことを明らかにした。72%(創エネ含まず)の省エネ率を見込んでいる。
同社ではZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化技術の研究開発に積極的に取り組み、2019年2月に完工した久光製薬ミュージアムでは、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の最高ランクのZEB認証を取得している。
今回の実験棟の省エネ改修はこれまでの取り組みを一歩進め、水(水の熱を利用した空調技術)、空気(空気の流れや状態を利用した空調技術)、熱(高断熱化や太陽熱利用など熱を制御する技術)、電気(直流給電システムなど電気利用効率化技)、制御(センサーなどを使った効率的な設備制御技術)の5つをコンセプトに、最新技術を含む約30の省エネ技術を採用し、建物内に配置/融合することで、高い省エネ率を実現する。
改修後の展示実験棟は、同社のZEBに関する取り組みを体感できる建物であり、導入したZEB化・省エネ化の新技術の運用効果を検証するとともに、ZEB化・省エネ化や室内環境に関する研究開発を推進し、顧客への設計提案や技術提案などに幅広く活用していくという。
同社は、2020年1月にZEBプランナー(ZEBや省エネ建物を設計する技術や知見を活用し、ZEB実現に向けた相談窓口を設置、業務支援を行う法人を登録する制度)の認定登録も行っている。
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