西松建設のオフィスビル「NCOメトロ神谷町」が「DBJ Green Building 認証」を取得:導入事例
西松建設が設計・施工を手掛けた自社保有の「NCOメトロ神谷町」が、日本政策投資銀行の「DBJ Green Building 認証」を取得した。
西松建設は2020年11月、同社が東京都港区虎ノ門に保有するオフィスビル「NCOメトロ神谷町」が極めて優れた「環境・社会への配慮」がなされた建物として、日本政策投資銀行による「DBJ Green Building 認証」を取得したことを発表した。
DBJ Green Building 認証は、環境・社会への配慮がなされた不動産とその不動産を所有・運営する事業者を支援するため、日本政策投資銀行が2011年に創設した制度。建物の環境性能だけでなく、不動産のサステナビリティをESGに基づく5つの視点から評価する。主に既存物件の環境性能改善に加え、建築・設計の技術的専門家だけでない不動産に携わる幅広い層のステークホルダーの対話ツールとして利用され、現在は〈オフィスビル〉〈ロジスティクス〉〈リテール〉〈レジデンス〉という代表的な4つのプロパティで展開されている。
今回、対象となったNCOメトロ神谷町は、西松建設グループが所有している旧神谷町共同ビルの敷地と、「神谷町」駅1番出入口用地を含む東京メトロ所有地を一体的に開発したオフィスビル。構造・規模は、S造地下2階・地上8階建て、延べ床面積は6349平方メートルで、西松建設が設計・施工を行い、2016年7月1日に着工し、2018年11月30日に竣工した。
計画時点から、駅直結かつバリアフリー設備を備えるテナントビルとしての使い勝手を保ちながら、省エネ設計も想定しており、同社所有施設では初の「ZEB Ready」を取得。高効率空調機システムや地中熱利用システム、調光制御ブラインドなどの導入により、年間1次エネルギー消費量を標準仕様の建物と比べて53%削減している。
竣工後には、ビル全体としてのエネルギー消費状況をモニタリングするとともに、グループ会社が入居するフロアでの実測を継続して行い、ZEB設計技術の知見を蓄積している。
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