横浜市庁舎にも採用された“ダンボール製ダクト”、金属にも劣らない性能を証明:新建材
竹中工務店は、金属ダクトにも劣らない気密性や不燃性などを有するダンボール製のダクトを開発し、このほど研究機関により30年の耐久性能が証明された。直近の採用実績では、2020年1月に竣工した横浜市新市庁舎などにも適用されている。
竹中工務店は2020年11月17日、山田ダンボール、協立エアテックと共同開発した不燃ダンボールダクト「エボルダン」が化学物質評価研究機構から30年の耐久性能評価を受けたことを公表した。
製造時・輸送時のCO2排出量を61%削減
エボルダンは、ダンボールの両面にアルミシートをラミネートした不燃ダクトで、2004年に3社共同で開発した不燃ダンボールダクトに改良を加えたもの。
ダンボールを2層構造から、上下層の外ライナと中ライナの間に5ミリ波板、中心部は中ライナで挟む3ミリ波板という3層構造にすることで、断熱性能を向上させた。また、ダクト部材の継ぎ目となるジョイントも見直し、外側両面を厚さ30マイクロメートル(μm)のアルミニウム箔でラミネートして、紙とアルミだけのシンプル構成ながら、耐圧性能を600パスカル(Pa)から1000Paへと高めた。
今回、化学物質評価研究機構による劣化評価で、使用期間30年経過後でも製品性能を保持することが実証された。
エボルダンの特長としては、従来の金属ダクトよりも重量を約3分の1に軽量化しているため、地震による揺れが発生した際、天井内部材の損傷や落下時の被害を最小限に抑えることができることがある。
環境配慮の点でも、リサイクル再生紙を使用したエコ素材であることに加え、平板で運送して、現地組み立てとすることで運搬回数を減らすことにもつながり、製造時及び輸送時のCO2排出量を61%削減する。
さらに、断熱性能も有していることから、在来工法で必要だったグラスウール保温材の施工が不要となり、工事現場での省人化にも大きく寄与する。
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