昭和初期を代表する商業建築の「堀ビル」がシェアオフィスへ、2021年春に開業:リノベーション
堀商店と竹中工務店、グッドルームは、東京・港区新橋の登録有形文化財「堀ビル」の歴史的な意匠が施された内外観を受け継ぎつつ、イノベーションを誘発するシェアオフィスへと生まれ変わらせる改修工事に着手した。
1890年に創業した錠前を扱う堀商店、竹中工務店、gooddaysホールディングスの事業子会社でシェアオフィス「GOODOFFICE」を展開するグッドルームは2020年12月8日、東京都港区新橋に立地する国の登録有形文化財「堀ビル」の保存活用事業に着手したことを発表した。
設計・施工を担当する竹中工務店は、堀ビルのオーナーである堀商店の会長・堀信子氏と、建物のマスターリース契約を締結し、歴史的建築物を活用する竹中工務店の新規事業「レガシー活用事業」の一環として改修工事を進め、2021年4月の開業を目指す。
堀ビルは当初、木造洋風建築だったが、関東大震災で焼失し、1932年(昭和7年)に公保敏雄氏と実兄で大蔵省技師の小林正紹が共同設計して再建。現存する建物は地下1階・地上5階建てRC造の建物で、外堀通り沿いの角地に位置する。外観はテラコッタタイルを基調として、水平に窓が連続する特徴的な様相で、鍵や錠をモチーフとしたレリーフを備えるなど、建物の内外に渡ってさまざまな装飾が施されている。1989年には、建物の歴史的価値が認められ、東京都の選定歴史的建造物に選ばれ、1998年に国の登録有形文化財にも登録されている。
改修後には、「居心地の良さ」にこだわった空間と「柔軟性とコストパフォーマンス」とを両立させた新しいカタチのオフィス提案を掲げるグッドルームの運営で、東京メトロ銀座線「新橋」駅から徒歩1分ほどの利便性の良さと、歴史的建造物の深みのある空間を生かし、スタートアップ企業をメインにオフィス利用を提案していく。
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