建設現場の360度画像をクラウドで共有、現場の進ちょく確認などを効率化:情報化施工
リコーは、360度画像を活用したデータサービス「RICOH360」向けに「RICOH360 Projects(リコーサンロクマル プロジェクツ)」の提供を開始した。建設現場の状況共有業務を効率化する。
リコーは、360度画像を活用したデータサービス「RICOH360」に、「RICOH360 Projects(リコーサンロクマル プロジェクツ)」を新たに加えたと発表した。2020年11月10日から提供を開始している。
「RICOH360」とは、仕事や現場の情報を360度画像データの活用で効率よくデジタル化するビジネス向けサービス。今回追加された「RICOH360 Projects」は、建設現場に特化したクラウドサービスである。同サービスでは、建設現場の撮影からデータの整理、共有までの作業を短縮し、現地調査や安全確認、工事の進捗確認などの状況共有業務を効率化できるということである。
多くの写真を撮影する建設現場では、多くの関係者で現場状況を共有しなければならず、円滑なコミュニケーションを取るのが難しい上、写真と文書を使った現場状況の記録や共有は手間が掛かり、撮影漏れによる現場再訪問などの課題があった。
360度画像の場合、意識的に撮影しなくても周囲の状況が全部写るため、重要な箇所の撮影漏れを防ぐことができる。また、視覚的に捉えられる情報量が多いため、現場に行かないと分かりづらい周辺の様子も臨場感をもって伝えられる。さらに、進捗状況を簡単に画像で確認できるタイムラインビューや、安全管理面等での是正指示を360度画像に直接書き込める機能など、カメラメーカーならではの使いやすさを追求したという。撮影した写真は自動的にクラウドにアップロードでき、どこからでも汎用ブラウザでアクセスして現場の状況を確認できる。
今後は現場巡回中での撮影、図面紐(ひも)付けの自動化といった建設現場に役立つ機能を拡充する予定だという。
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