仕事とプライベートを切り替え可能な“間”を設けた戸建て住宅、パナソニック:パナソニックが考える「2020以降の街づくり」(2/2 ページ)
パナソニックは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、テレワークを行う労働者が増えたことを踏まえて、居住者が、建物の中心に配置したスペース「間」で、気持ちを整理して、プライベートと仕事の時間を切り替えられる「間のある家」を開発した。
全部屋に接続しシンプルなデザイン
トイレには、本棚が置いてあり、用を足しつつ読書が可能で、便器には「アラウーノ L150」を採用している。アラウーノ L150は、便座から立ち上がると、自動でフタを閉じて洗浄を行う機能「クローズ洗浄モード」を搭載しており、飛沫などが飛散せず、感染症の拡大防止に役立つ。
テラスは、ブランコが付いており、子供が遊べるスペースとして機能する上、ランニングコースで走った後の休憩所としても使える。寝室には、住宅設備用エアコン「天井ビルトインエアコン1方向タイプ」や次亜塩素酸を用いた空間除菌脱臭機「ジアイーノ」、給排気風量のバランスを自動でコントロールする「IAQ搭載熱交換システム」を配備し、空気環境を整えやすく、寝心地が良い空間になっている。
浴室は、昼は窓から日の光を取り入れられ、夜は水盤LED照明でバスルームを照らせる。浴槽には「Lクラス バス」を採用。Lクラス バスは、泡を湧き上げ全身を刺激し、疲れた体を癒せる「リゾートバブル」機能を搭載しており、利用者はリゾートバブルで、労働による疲労を減らせる。シアタールームは、プロジェクターやスピーカー付きダウンライト、クッションを配置し、横になりながら映画鑑賞できるようになっている。
予防医学研究者の石井氏は、「新型コロナウイルス感染症の拡大後、多くの労働者は、家で働くことが増え、仕事とプライベートの時間を切り替えることが難しくなっている。そこで、コンセプトハウスの中心に設けた間というスペースは、全ての部屋につながっており、仕事や料理、映画鑑賞、入浴といったさまざまな作業を行う前に、気持ちを整えられる場とした」と間の機能について触れた。
また、トラフ建築設計事務所の禿氏は、「間は建物の余白となるように、各部屋の入口や窓以外は何も置かないシンプルな設計にした。天井は外光が入るように天窓を取り付けており日中は明るく、床下に埋設した換気設備は、ダクトを通じて、各部屋の換気を24時間行い、空気をこもらないようにし、コロナ対策を図っている」と間の設計について紹介した。
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