道路灯の代わりに使えるまぶしくないエクステリア照明「Broad Washer」:パナソニックが考える「2020以降の街づくり」
パナソニック ライフソリューションズ社は、まぶしくないエクステリア照明「Cylinder Spot」と「Broad Washer」を開発した。Cylinder Spotは、光源遮光角が45度なため光源が見えづらく、内部に黒色コーン“ブラックコーン”や鏡面反射板を設けることで、照度を抑えている。Broad Washerは、表面に設けたマイクロレンズにより、まぶしさの原因になる上方への漏れ光を下方に運び、発光輝度を抑制しているが、路面を照らす能力が高いため、道路灯の代わりに使える。
パナソニック ライフソリューションズ社は2020年8月21日、「エクステリア照明 オンラインレクチャー」を開催し、同年9月1日に発売するエクステリア照明「Cylinder Spot」と「Broad Washer」を紹介した。
光源遮光角45度でまぶしくない照明
両照明は、パナソニック ライフソリューションズ社が展開する建築照明器具ブランド「Smart Archiシリーズ」の製品で、利用シーンはマンションや商業施設、公共施設の歩道に設置するライティングを想定している。
Cylinder Spotは、壁面取り付け用で、形状は筒形を採用している。種類は、700ルーメンタイプや1100ルーメンタイプ、2000ルーメンタイプの3種をラインアップ。壁に固定するパーツのフランジが薄いため、小さいスペースで、壁に取り付けられる。天面部は、従来品と比較して平面になっているので、ホコリや雨がたまりづらい。1100ルーメンタイプの直径は、明るさを維持したまま、従来品より45ミリスリム化しており、2000ルーメンタイプは、これまでの1100ルーメンタイプと同じ直径の110φ。
オンラインレクチャーで、パナソニック ライフソリューションズ社 ライティング事業部 ライフスタイルライティングBU 空間演出推進部 エクステリア空間事業推進グループ 企画課の茨薫氏は、「通常、エクステリア照明で植栽をライトアップする場合、植物近くの地上に敷設するが、人が植栽に近接すると照明の発光部が見えてまぶしいといった問題があった。Cylinder Spotは、光源遮光角が45度のため、発光部を直視しにくい他、内部に黒色コーン“ブラックコーン”や鏡面反射板を設けることで、照度を抑制している」と解説した。
続けて、「Broad Washerが発する彩光色LEDの光は、分光の中にある黄色と緑色を抑えているため、対象物を鮮やかに照らせる」と付け加えた。
Broad Washerは、表面に配置した約5000個のマイクロレンズにより、まぶしさの原因になる上方への漏れ光を下方に運ぶため、発光輝度が低く目に優しい。「Broad Washerは通常の状態でも、発光輝度を下げるカバー“乳白グローブ”を装着したエクステリア照明よりまぶしくない」(茨氏)。
また、路面を照らす能力が高いため、街路灯としても使える。幅員4メートルの場合、道路照明施設設置基準により、夜間は道の明るさを5ルクスにしなければならないが、Broad Washerを10メートル間隔で配置すれば条件を満たせる。道路灯より高くないため、視界を妨げにくい。
Broad Washerの種類は、ローポール、フットスタンド、フットライトの3種で、それぞれが片面配光タイプと両面配光タイプの2種を有し、全てのデザインは統一されており、意匠性が高い。片面配光タイプは前方のみに光を放射し、両面配光タイプは前後方を照らせる。
Cylinder Spotの価格は、4万4000〜6万6500円で、Broad Washerの価格は5万5000円〜8万9000円(いずれも税別)。
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