「TAKASAGO ACCELERATOR 2020」にAI異音検知技術ベンチャーが採択
高砂熱学工業は、eiicon companyら3社と共同で運営する、アクセラレータプログラム「TAKASAGO ACCELERATOR 2020」において、Hmcomm(エイチエムコム)を採択した。
高砂熱学工業は、eiicon companyと三菱UFJリサーチ&コンサルティングとで共同運営するアクセラレータプログラム「TAKASAGO ACCELERATOR 2020」において、事業検証へ進む企業としてHmcomm(エイチエムコム)を採択した。
TAKASAGO ACCELERATOR 2020は、高砂熱学工業と新たなビジネスを生み出すオープンイノベーションプログラムだ。第3回となる今回は、「環境クリエイターとして、豊かに暮らせる未来の地球を創る」のコンセプトの下、「建設/設備管理現場の効率化・自動化」「オフィスで働く人のウェルネスを向上させる環境づくり」「循環型社会の実現に向けた環境ビジネス創造」の3つのテーマで募集を行った。2020年4月からエントリーを開始、2020年6月から審査を実施した。
今回採択したHmcommは、産業技術総合研究所発のベンチャー企業として、AIを用いた音解析の技術を有しており、その応用研究として異音を検知する技術を開発している。同社のAI異音検知技術および異音検知プラットフォーム「FAST-D」と、高砂熱学グループがもつ設備管理のノウハウを掛け合わせることで、熟練技術者の言語化できない知識や経験を標準化し、設備異常を早期に感知する技術を開発できると判断した。
ビルや工場等の設備管理の現場では、機器等の不具合を人間が微小な異音を聞き分けながら確認しており、熟練技術者の経験を必要とする。一方で、熟練技術者の高齢化や、入職者の減少など、設備管理業界の人材不足が課題であった。今回の開発が実現すれば、設備の安定稼働、設備管理の省力化、点検業務の非属人化による安定した品質の提供につながるという。
今後は、採択企業との実証実験や事業展開の検討を行い、2021年3月の成果報告会をもって、事業化に向けた本格的な開発段階へ進むかどうかを判断する。
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