連載
建設業の労働災害をヒューマンタッチ総研が分析、全産業の“3割が建設業”:建設業の人材動向レポート(26)(2/2 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向について、さまざまな観点で毎月レポートしている。今回は、建設業での労働災害の発生状況について分析した。
■建設業は「墜落・転落」の死亡者が際立って多い
建設業における死亡者数を事故類型別に見ると、最も多いのは「墜落・転落」の110人(全体に占める割合40.8%)。2番目が「崩壊・倒壊」が34人(同12.6%)、「交通事故(道路)」が27人(同10.0%)となっており、墜落・転落事故の占める割合が際立って高い(図表5)。
■まとめ
労働災害による死亡者数は、直近の3年間は減少傾向であり、長期的に見ても全産業合計の死亡者数は、1989年の2419人から2019年には845人に減少(対1989年比65.1%減)。建設業の死亡者数は、1989年の1017人から2019年には269人(対1989年比73.6%減)となり、建設業では全産業以上に死亡者数は大幅に減少している(図表6)。
今後についても、従来行ってきた安全管理対策に加えて、IoTやAI(人工知能)を活用した労働災害の防止策が拡充されることで、死亡事故をさらに減少させ、安全な建設業となることが望まれる。
著者Profile
ヒューマンタッチ総研(所長:高本和幸)
ヒューマンタッチ総研は、ヒューマンホールディングスの事業子会社で、人材紹介事業を行うヒューマンタッチが運営する建設業界に特化した人材動向/市場動向/未来予測などの調査・分析を行うシンクタンク。独自調査レポートやマンスリーレポート、建設ICTの最新ソリューションを紹介するセミナーなど、建設業界に関わるさまざまな情報発信を行っている。
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