新型コロナの建設雇用への影響は、“リーマンショック”と比べ上回るか?ヒューマン総研:産業動向(1/2 ページ)
ヒューマンタッチ総研は、新型コロナウイルス感染症の再拡大が懸念される中、建設業の雇用動向に及ぼす影響について、これまでとは異なるアプローチで、リーマショック時との比較から現況を分析した。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は2020年9月30日、日本経済に大きな打撃を与えている新型コロナウイルス感染症拡大が建設業の雇用動向に及ぼす影響を、2008年9月に発生したリーマショック時と比較分析したレポートを公表した。
リーマンショックで就業者は54万人減、コロナでも同程度の減少を危惧
建設業の就業者数はリーマンショックが発生した2008年には対前年2.7%減(15万人減)、2009年は同3.7%減(20万人減)、2010年も同3.7%減(19万人減)となり、3年間で就業者数は54万人減少した(図表1)。
一方、コロナウイルス感染症拡大が発生した2020年の1〜7月の平均就業者数をみると、対前年2.6%減(13万人減)とリーマンショックの初年時とほぼ同じ減少率になっており、今後の状況次第では、リーマンショック時レベルの就業者数の減少が危惧される。
リーマンショック時、コロナ感染症拡大時のいずれも建設技術者数は減少せず
建設技術者数については、2008年30万人、2009年31万人、2010年30万人となり、ほぼ横ばいで推移。今回のコロナウイルス感染症拡大時についても、2020年の1〜7月の平均では前年よりも1万人増加しており、どちらのケースでもマイナスの影響は受けていない(図表2)。
リーマンショック時と比較すると建設業の人材需要は堅調
次に建設業の新規求人数の推移では、2008年には対前年32.1%減、2009年は同22.5%減と大幅に減少しているが、新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年1〜7月平均の新規求人数は、同6.7%減であり、リーマンショック時と比較すると人材需要はそれほど大きく低下していない(図表3)。
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