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換気機能搭載のルームエアコンや露出型で設置容易な全熱交換機ユニット、ダイキン工業製品動向(2/2 ページ)

ダイキン工業は、国内での新型コロナウイルス感染症の拡大により、換気製品のニーズが高まっていることを受けて、効率的に換気が行える新型のルームエアコンや全熱交換機ユニットを開発した。

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ダイキン工業 空調生産本部 商品開発エグゼクティブリーダー主席技師 松岡弘宗氏 

 ダイキン工業の松岡氏は、ベンティエールについて、「小規模の店舗やクリニックはコロナ禍で、換気設備が設計段階で確保されているビルとは異なり、換気の課題が顕在化している。例えば、一般的な飲食店は、隙間風に依存した換気が主流で、本当に十分な換気が行えているか分からないケースが多い。また、換気をするために窓を開ける飲食店も少なくない。窓を開けた状態でエアコンを運転すると、室内の温度を一定に保つのが難しくなり、電気代も高くなる。さらに、冬場は室内の空気が乾燥し、新型コロナの感染リスクが高まる。前述した問題を解消するため、ベンティエールを開発し、2020年9月にリリースした」と説明した。

 ベンティエールは、エネルギー回収機能を備えた換気装置で、露出設置型のため、店舗に後付けできる。内部には、給気と排気のファンが取り付けられており、給気と排気がベンティエール1台で行える。「既存の店舗にベンティエールを配置するだけで、8人分の換気能力を室内に付加できる」(松岡氏)。

 内蔵されたエネルギー回収装置は、空気の入れ替えは進めるが、室内の熱気や冷気を外部に放出しない設計で、窓開け換気に比べて、夏の消費電力を約2分の1に抑える。


全熱交換機ユニット「ベンティエール」

換気扇(左)とベンティエール(右)の換気スピードの比較

 松岡氏は、ベンティエールの取り付けに関して、「従来の換気装置は天井裏に埋設するため、設置作業は天井を外すなど大掛かりだった。しかし、ベンティエールは、天井に配置し、ダクトに接続するだけで使え、大規模な工事は不要。露出型のため、店舗の来店者が、換気装置が店に置いてあることを確かめられ、室内の空気が外気と入れ替えられていることが分かり、安心感を得られる」と解説した。

ベンティエールの設置イメージ(左)と空気の流れを可視化する空気診断技術(右)

 今後の展開については、「ベンティエールは壁縦置き設置の受注を2020年9月に開始しており、2020年10月末には軒下設置の受注をスタートする。将来的にはデザインモデルを追加するとともに、開発中の換気効果見える化技術や空気の流れ可視化技術で店舗内の換気状況をオーナーに説明し、ベンティエールの拡販を図っていく」と語った。

 価格は、うるさらXが24万円前後で、うるさらminiが17万円前後、Vシリーズが15万円前後。ベンティエールが22万9000円(いずれも税別)。換気機能を搭載した家庭用エアコンの売上目標は全機種で年間30万台。ベンティエールを含む全熱交換機ユニットの売上目標は2万台。

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