ダイテックらが月額1人167円の現場管理クラウドを発売:製品動向(2/2 ページ)
ダイテックは、福井コンピュータアーキテクトと共同で、月額利用料が1人あたり約167円の現場管理クラウド「現場Plus」のサービスを開始する。現場Plusは、建設業で作業者の高齢化が進行していることを踏まえて、高齢者でも使いやすいインタフェースを採用している。
テンプレートで工程表の作成を容易に
次に登壇したダイテックの江谷氏は、現場Plusについて、「現場における従来型の情報伝達を現場Plusを用いて変えることで、作業者や現場監督の意思疎通が円滑になる。例えば、現場では、最新の図面が一部の作業者に共有されていなかったため、間違った図面で施工し、手戻りが起きるという話をよく聞く。現場Plusは、設計変更専用の通知機能を備えているため、全作業者が図面が変わったことを認識でき、間違った図面で施工するという事態は発生しない。また、ARCHITREND ZEROから直接、専用フォルダに図面を保存でき、各作業者が通知された情報を読んだのかも確かめられる」と触れた。
福井コンピュータアーキテクトの市原氏は、現場Plusで工程表を作る方法を説明した。工程表作成の作業手順は、現場Plusのトップ画面に表示された建築予定の物件から対象となる住宅を選んで、メニューを開く。メニューから、「標準工程表の初期登録」を選択し、作成工程表の土台となるテンプレートをセレクトする。テンプレートに、現場の住所や敷地面積、施主の名前と連絡先などの基本情報を入力。次に「具体的工程表の作成」の項目をタッチし、着工日や完成日、引き渡し日を設定して、基本情報を入力したテンプレートの工程表を読み込む。読み込んだ工程表を編集した後、「協力業者の指定」という項目を押し、各工種を行う業者を選び、運用開始のボタンを選択して、工程表の作成は完了し、工程表の完成を下請け会社の作業員に通知する。
市原氏は、「下請け会社の作業員は、スマートフォンに届いた通知をタッチすると、工程表が開け、担当する工種の進捗や工事の開始日時などを入力することが可能だ。受け持ちの工種が完遂した際には、工事写真を現場Plusの工程表に添付し、完了したことを元請け会社の社員に伝えられる。各スタッフがインプットしたデータは現場Plusの工程表に反映されるため、元請け会社の従業員は現場作業の進み具合を現場Plusの工程表上で調べられる」と説明した。
また、「現場Plusのメニューにある私書箱の項目を選択すると、チャット機能が使え、施主や各作業員とコミュニケーションがとれる。掲示版の機能をタッチすると、全作業員に伝えたい情報を記載でき、読んでいない作業者も一目で分かる仕様になっている。未読のスタッフには、電話をかけられ、メッセージも送れる」と解説した。
【訂正:初出時、記事内容に誤りがありました。上記記事はすでに訂正済みです(2020年10月20日午後5時43分)】
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