調査リポート
新型コロナの建設雇用への影響は、“リーマンショック”と比べ上回るか?ヒューマン総研:産業動向(2/2 ページ)
ヒューマンタッチ総研は、新型コロナウイルス感染症の再拡大が懸念される中、建設業の雇用動向に及ぼす影響について、これまでとは異なるアプローチで、リーマショック時との比較から現況を分析した。
建設業ではコロナショック以降も、慢性的に人手不足が続く
建設技術者の新規求人数についても、2008年は17.2%減。2009年は22.1%減と落ち込んだが、2020年1月から7月までの平均の新規求人数は、同9.4%減であり、リーマンショック時よりも減少率は低くなっている(図表4)。
ヒューマンタッチ総研所長の高本和幸氏は、「2020年1〜7月までの建設業及び建設技術者の新規求人数からみると、新型コロナウイルス感染症拡大は、リーマンショック時ほどには、建設業の人材需要の低下をもたらしていないことが判別した。その主たる要因は、建設業が慢性的に人手不足の状況にあることが考えられる。建設業の就業者数は、リーマンショックで54万人減少し、その後、東日本大震災の復興需要や景気の回復によって建設工事量が増加しているにもかかわらず、建設業の就業者は増加しておらず慢性的に人手不足の状況にある」(図表5)。
また、「働き手となる生産年齢人口は、2009年の8149万人から2019年には642万人にまで減り、7507万人となり、今後も減少が続くと推計されていることを踏まえると、建設業における人手不足の状況は、コロナショック後もしばらくは続くのではないか」と分析している。
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