車両運行管理システム「スマートG-Safe」が進化、道路交通情報と連携:現場管理
鹿島建設は車両運行管理システム「スマートG-Safe」と、道路交通情報サービスを連携し機能を拡充した。所要時間予測と最適な運行ルート指示を実現する。同社施工のトンネル工事においてその効果を確認した。
鹿島建設は車両運行管理システム「スマートG-Safe」と、道路交通情報サービス「VICS」を連携し機能を拡充した。所要時間予測と最適な運行ルート指示を実現する。同社施工のトンネル工事においてその効果を確認した。
同社はこれまで、タブレット端末やスマートフォンを用いたスマートG-Safeにおいて、工事車両の位置情報の把握、運行管理者と運転手の双方向通信、工事用道路でのすれ違い管理、積載物の輸送・出来高管理など機能向上を図ってきた。
今回の機能拡充では、スマートG-SafeとVICS(一般財団法人道路交通情報通信システムセンターが提供する渋滞や交通規制などの道路交通情報を、リアルタイムにカーナビゲーションに届けるシステム)の道路交通情報を連携した。これにより、運行ルートの所要時間表示に必要な情報をリアルタイムに取得し、取得した区間所要時間をもとに、ルート全体の所要時間、各車両の現在位置に応じた到着予測時刻の計算が可能となった。
また、運転手の車載端末に運行ルートを表示し、複数のルートがある場合はそれぞれ目的地までの所要時間を比較表示。走行中、運行ルート上に設けられたチェックポイントや分岐地点手前を通過するごとに、所要時間を更新する。運行管理者の管理画面には運行ルートの所要時間と各工事車両の到着予測時刻が表示され、ルートを管理者が指示することも可能だ。
同システムを横浜環状南線公田笠間トンネル工事に適用し、導入効果の検証を行った結果、所要時間を定量的に確認し、自動表示される最適運行ルートを選択できるようになった。また、運行管理者は現場ヤード内において、次のダンプトラックがいつ到着するのかといった情報を正確に把握し、受け入れ準備を円滑に行うなど計画的な施工管理が可能となったという。
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