大和ハウスらが、NYで41階建ての複合マンションの工事に着手:プロジェクト
大和ハウス工業は、豪州、アジア、欧州、米国で不動産事業を展開するLendleaseや建物の企画、建設、施工、管理などを行うL+M Development Partnersとともに、米国ニューヨーク州マンハッタンで、教職員住宅や教育施設などを併設した41階建ての複合型高層分譲マンションの開発を進めている。
大和ハウス工業は2020年7月6日、米ニューヨーク州マンハッタンで、複合型高層分譲マンション開発計画「100クレアモントアベニュープロジェクト」の工事に着手した。
延べ床面積は3万2888平方メートル
100クレアモントアベニュープロジェクトで建設する建物の規模は、RC造地上41階建てで、延べ床面積は3万2888平方メートル。所在地は、コロンビア大学などの教育施設や文化施設が密集するニューヨーク州ニューヨークモーニングサイドハイツ地区で、Union Theological Seminary(ユニオン神学校)のキャンパス内に位置する。敷地面積は1617平方メートル。
建物の1〜3階にはロビーやアメニティー、教育施設、駐車場、4〜9階には教職員住宅をそれぞれ配置しており、10〜40階には分譲マンションとし、41階には機械室などを整備している。
分譲マンションの総戸数は165戸で、一戸あたりの居住面積は65〜315平方メートル。設計はRobert A.M. Stern Architectsが担い、施工はLendlease Constructionが担当している。各部屋の販売は2021年8月を予定しており、竣工は2023年3月を見込んでいる。
アクセスは、マンハッタンを南北に走る地下鉄1号線の「116ストリート」駅から徒歩5分で、マンハッタンの中心部まで地下鉄で約30分と交通利便性に優れている。
100クレアモントアベニュープロジェクトは、大和ハウス工業が同社の米国現地法人であるDaiwa House Texas を通じて行うもので、豪州シドニーに本社を置き世界各国で事業を展開するLendleaseグループの米国法人である不動産会社Lendlease Americasやニューヨーク州に本社を構える建設会社L+M Development Partnersと進める。
建物内の分譲マンションは、近隣の教育施設に通う在校生や卒業生をメインに、子育てを終えたシニア夫妻やファミリー層など、幅広い世代のニーズに応えられる間取りとしている。
共用部には、入居者専用のパーティールームやフィットネスセンター、プール、ビジネスセンターなどを設置。また、ロビーコンシェルジュの他、24時間対応のドアマンを配置し、セキュリティを確保している。
今回のプロジェクトでは、国際的な認証プログラム「LEED(Leadership in Energy & Environmental Design)」のゴールドランクと、環境や健康に配慮した建物を認定する「WELL認証(WELL Building Standard)」の取得を予定している。
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